勝ち抜く中小経営への強化書

国内生産拠点のみで生き残るための戦略 日本政策金融公庫総合研究所 主任研究員 森岡 功氏

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 大企業と比べ、経営資源に制約がある中小企業が海外展開を推し進めていくことは簡単ではありません。大手メーカーのニーズに対して、中小企業が活躍し得る領域とはどのようなものでしょうか。海外の競合企業と比べ、国内に立地する自社の優位性を活かすには何がポイントかをまとめてみます。

大企業と対照的な中小企業の海外展開

 はじめに、どの程度の中小企業が実際に海外展開を行っているのかを統計で確認しておきましょう。なお、ここでいう海外展開とは、海外に子会社、関連会社または事業所があることを意味し、輸出を含みません。

 中小企業庁が毎年実施している「中小企業実態基本調査」によれば、2013年度において中小企業全体ではわずか0.4%で、このうち法人企業が0.8%、個人企業が0.0%となっています。このなかには、海外展開の必要性に迫られていない業種も含まれているため、海外展開の必要性が相対的に高いと考えられる製造業に限定すると図表1のとおりです。

図表1 中小製造業(法人企業)の海外展開状況

資料:中小企業庁「中小企業実態基本調査」(各年版確報)<br /></p><p>注1:当該調査はサンプル調査に基づく拡大推計値である。</p><p>注2:海外展開の定義は「海外に子会社、関連会社または事業所がある」ことである。

資料:中小企業庁「中小企業実態基本調査」(各年版確報)

注1:当該調査はサンプル調査に基づく拡大推計値である。

注2:海外展開の定義は「海外に子会社、関連会社または事業所がある」ことである。

 製造業でも個人企業の海外展開率はほぼ0.0%なので、法人企業に限定していますが、これをみると、法人企業全体で2013年度実績は2.3%となっています。

 近年、中小企業の海外展開は進展しつつあるといわれていますが、製造業でも、依然、多くの中小企業が海外展開していない、つまり国内拠点のみで事業を営んでいるのが実態です。

 一方、内閣府「企業行動に関するアンケート調査」によれば、大企業(製造業)で海外現地生産を行う企業の割合は、2013年度において71.6%となっており、中小企業と対照的な結果となっています。

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