勝ち抜く中小経営への強化書

介護人材の確保は「サービスの質向上」から 日本政策金融公庫総合研究所 研究員 山田 貴之

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 A社の取り組みのように、資格や技能を活かして介護を実践し、その成果を実感したり家族から認められたりすることができれば、介護職員は仕事のやりがいを実感するはずです。実際に、2013年の創業以来、同社では仕事に不満で離職した職員はいません。

介護事業所は介護の質を高める努力を

 本稿では、介護職員の期待に応えたり、介護の質を高めたりする取り組みが、定着率の向上につながることを紹介しました。なかでも重要なのが、介護の質を高める取り組みです。介護事業所が質の高い介護を提供する意義は、人材不足の解消だけにとどまらないからです。

 訪問・通所介護の事業所数の増加により、事業所同士の競争環境は激しくなっています。介護の質が高まれば、介護事業所は利用者を確保しやすくなり、安定した経営を行うことにも役立つでしょう。今後、質の高い介護を提供する事業所が選ばれ、利用者に対して最低限の世話をするだけの事業所は、生き残れなくなります。

 介護職員の確保に悩む事業所は、まず、介護の質を高める取り組みを実践することで定着率を向上させることから始めるとよいのではないでしょうか。

山田 貴之(やまだ たかゆき)
日本政策金融公庫総合研究所研究員。2008年京都大学経済学部卒業、国民生活金融公庫(現・日本政策金融公庫)に入庫。札幌支店、千葉支店勤務を経て、2015年より総合研究所にて中小企業の経営に関する調査・研究に従事。

キーワード:経営層、管理職、経営、企画、経理、人事、人材、ものづくり、営業、マーケティング

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