勝ち抜く中小経営への強化書

介護人材の確保は「サービスの質向上」から 日本政策金融公庫総合研究所 研究員 山田 貴之

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(2)外部セミナーの受講

 介護事業所は介護職員の仕事に対する意欲に応える必要があります。その一つとして考えられるのが外部セミナーを受講させることです。働きがいを求める人やお年寄りの役に立ちたいと考える人は、自分の技量を向上させたいと考えており、外部セミナーはそのチャンスになるからです。また、介護の技術や知識を身に付けたいとする人の目的にもかないます。

 アンケートから外部セミナーを受講させているかどうかをみると、「受講させている」企業が84.5%、「受講させていない」企業が15.5%でした。

 外部セミナーを受講させているかと介護職員・登録ヘルパーの定着率との関係をみると、定着率が「高い」とする企業の割合は、「受講させている」企業では53.0%であるのに対し、「受講させていない」企業では45.8%となっています(図4)。逆に定着率が「低い」とする企業の割合は、「受講させている」企業では7.5%であるのに対して、「受講させていない」企業では12.2%でした。

介護の質を高める

 介護職員が働きがいを感じるのは、介護の結果、利用者の状態が改善したり、利用者やその家族が笑顔になったりしたときでしょう。こうした機会を増やすには、成果が上がる質の高い介護を実践することが欠かせません。

 介護事業所の利用者は、介護を必要とする程度も、必要な介護の内容も人によって異なります。そのため、介護職員は利用者の状態に合わせて介護を提供する必要があります。訪問介護でも通所介護でも、1人の利用者を複数の介護職員やヘルパーが担当するのが一般的です。そこで、まず介護記録をきちんと共有することが大切になってくるのです。

 介護記録とは、利用者の状態や介護職員が行った日々の介護の内容を記録したものです。この介護記録がきちんと共有されていなければ、利用者の状態の変化に気付かなかったり、介護職員によって介護のやり方が異なってしまったりといったことが起こってしまいます。このような状態では、質の高い介護は実践できません。

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