勝ち抜く中小経営への強化書

小さな工夫で大きな価値生む「プラスα」 日本政策金融公庫総合研究所 主任研究員 渡辺 綱介氏

記事保存

日経BizGate会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。

(3)「共創」を生むコラボレート型

 自社でまかなえることには限りがあります。外部資源の活用は、限られた自社の経営資源を補う点でも重要ですが、ここでは一歩進んで、外部との"交流"を育み、影響し合いながら新たな価値を生み出す、という視点から考えます。

 旅行代理店のC社が手がける着地型ツアーは、地域の名所を訪ねるのはもちろん、町を巡りながらそこに住む人々に会い、話を聞いてまわるユニークな旅です。町の人々がそれぞれの語り口で、代々伝わる地域の歴史を伝えてくれるのです。しかも、出会える人はそのときどきで変わる、形の決まっていない旅です。地域を活気づけたい町の人々、通りいっぺんの観光に飽き足らない旅行者の双方に喜ばれています。

加える要素をどう養えばよいのか

 以下では、「提案力」「アイデア」「交流」といった、加えるべき要素をどう生み、どう育てていけばよいのか、具体例をもとにみていきます。

(1)オーダーメード型のケース

 包装資材販売のD社は、資材の販売だけでなく、工場やメーカーなどに対し、物流工程の効率化策を提案することで、受注をつかんでいます。同社では、営業や設計の担当者全員が参加する営業戦略会議を開き、提案力のレベルアップを図っています。

 また、営業に回る際には、営業先が物流面でどんな悩みを抱えているのかを尋ね、社内で報告する体制としています。さらに、悩みに応える簡単なサンプルを作成してもち込んで関心をもってもらい、また別の悩みを引き出す。その繰り返しで、顧客の悩みの核心に迫っています。

 自社の商品やサービスに関する深い知識、優れたノウハウが、提案の基礎となります。それを活かすために、プレゼンテーションのスキルなど、提案に役立つノウハウを身につけていくことも大切です。

 心から喜ばれる提案をするためには、顧客のニーズや嗜好をあらかじめつかんでおく必要があります。さらに、顧客自身が気づいていないような悩みや望みまで掘り下げることができれば、顧客は自分(自社)のことをわかってくれるパートナーとして信頼を寄せてくれるでしょう。

閲覧履歴

    クリッピングした記事

    会員登録後、気になる記事をクリッピングできます。