勝ち抜く中小経営への強化書

小さな工夫で大きな価値生む「プラスα」 日本政策金融公庫総合研究所 主任研究員 渡辺 綱介氏

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プラスαの取り組みの3タイプ

 こうした「マスから個へ」「モノからコトへ」「競争から共創へ」という3つのトレンドに対応するには、何をプラスすればよいでしょうか。それぞれの取り組みをみていきましょう(図表1)。

図表1 「プラスαの取り組み」の3タイプ

資料:筆者作成

資料:筆者作成

(1)「個」に対応するオーダーメード型

 このタイプに属する企業は、既存の商品・サービスに"提案力"を加えることで、顧客に頼りにされる企業へと成長しています。

 婦人服販売のA社は、社長が目利きで仕入れたアイテムを扱っていますが、近隣に大型のショッピングセンターがあり、売り上げは低迷していました。そんな同社はいま、専属スタイリストを付けるかのようにトータルの着こなしを提案するサービスで、顧客を惹きつけています。

 他店と違うのは、店内の商品に加え、過去に同店で購入したアイテムまで含めたコーディネートを提案してくれる点です。パソコンでデータ管理している顧客一人ひとりの購入履歴や好み、会話の内容などの情報をもとに、店内のアイテムを勧める際に、顧客宅のクローゼットの片隅に眠っている服まで活かせるコーディネートをさりげなく提案し、喜ばれているのです。

(2)「コト」を提供するサプライズ型

 サプライズの"アイデア"を加え、思いも寄らないような体験を提供するのがこのタイプです。相手の期待をうまく裏切り、驚きや新しさを演出するのです。

 コメの卸・小売業を営むB社は、産地や銘柄のブランド力がものをいうコメ販売の業界で、遊び心をもってコメを楽しむという意外な視点からアプローチしました。さまざまな特性のコメをブレンドする技術を活かして、好みの組み合わせで食べ比べを楽しめる小分けの商品を考案。見た目の華やかさ、ネーミングのこだわりなど、次々に遊びの要素を取り入れると、結婚式の引き出物や内祝いの品などとして、あまりコメを消費しないといわれる若者層からも人気を呼びました。

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