勝ち抜く中小経営への強化書

身近な経営資源を活用、躍進する若手経営者 日本政策金融公庫総合研究所 研究員 藤田 一郎氏

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 経営者の高齢化が進むなか、企業の規模を問わず、若くして経営の世界に足を踏み入れ、実績を上げている「若手経営者」に注目が集まっています。本稿では「若手経営者」の実態を明らかにしながら、経営資源の一面としての経営者の年齢について考えます。

高齢化進む中小企業経営者

 帝国データバンクの調査によると、2015年12月末時点の経営者の平均年齢は59.2歳と、過去最高を更新しました。少子高齢化が主な要因として考えられます。

 また、若者が経営に参入してこないことも挙げられます。会社経営は職業の選択肢の一つでありながら、経営者になるにはお金がかかる、さらにはリスクに見合った収入が得られそうにないといったイメージが、若者にはあるようです。

 日本政策金融公庫総合研究所が2014年11月に、全国の18歳から69歳までの男女に対して実施した「起業と起業意識に関する調査」では、事業経営経験はないが起業に関心があるとした427人に、起業していない理由をたずねています。

 結果を年代別にみると、「29歳以下」では「自己資金が不足している」との回答が49.6%と最も高く、「失敗したときのリスクが大きい」(38.1%)で続きます。この傾向は「30歳代」「40歳代」でも同様です。また「29歳以下」「30歳代」ともに約5人に一人が「十分な収入が得られそうにない」と回答しています。

 他方、若くして事業を立ち上げ、あるいは事業を承継し、成果を上げている経営者も存在します。これらの経営者に共通しているのは、ともすれば弱点ととらえられがちな「若さ」を武器に、失敗を恐れずにチャレンジを続けている点ではないでしょうか。

 創業者か後継者かを問わず経営者が若返ることは、事業、ひいては経済全体を活性化する可能性を秘めています。そのためにはまず「若手経営者」の実態を知る必要があるでしょう。こうした問題意識から、日本政策金融公庫総合研究所では、2014年7月に「経営者の事業方針に関するアンケート」(以下アンケート)を実施しました。

経営者の能力を発揮できる年齢とは

 「若手」というと、読者の皆さんは何歳頃をイメージするでしょうか。広辞苑には「若く元気で働き盛りの人」とあり、年齢は示されていません。そこでまず、「若手経営者」の年齢をアンケート結果から定義しましょう。具体的には「経営者として最も能力を発揮できる年齢」をたずねました。

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