肖敏捷の忠言逆耳

中国、「14億総中流」のカギは劉鶴氏 SMBC日興証券 中国担当シニアエコノミスト 肖 敏捷(しょう びんしょう) 氏に聞く

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2018年のキーワードは「良い経済減速」

 ――重要な節目になる2018年の中国経済のキーワードは何でしょうか。

 「第1は『良い経済減速』です。これまでの中国は固定資産と投融資が成長を支えてきました。その結果、鉄鋼などで過剰生産・供給過剰の状況が続いています。中国だけが原因ではないにせよ先進諸国のデフレ要因にもなっており、現在の世界経済にとってハッピーではありません。自らの意志で成長率を低く抑えることは可能であり、年4%台に下げても失業問題は起きないと見ています」

 「第2は『量から質』です。量的な拡大を続けてきた中国経済は一面で『豊作貧乏』とも言えます。中国製品の品質向上への動きは一段と加速するでしょう。さらに経済成長の果実をどれだけ受けられるか。現在の中間層は約5億人でしょう。この階層の生活レベルを高めていくことが14億総中流へもつながるでしょう」

 「第3は『改革の終わり』です。中国経済の将来について悲観論が出てくると、これまで改革が叫ばれヒト・モノ・カネがつぎ込まれてきました。しかし実際は若干の微調整を加えるのが精一杯で、改革には既存のものを守ろうとする一面もありました。だから国有企業など既得権益の改革は成果が上がらないのです。中国経済に関しては楽観論、悲観論が常に交差していますが私は静観派です」

 ――今年の注目すべき点はどこでしょうか。

 「第1は財政サービスの配分です。中国の財政は新幹線とか半導体工場など経済活動に直接影響する分野に向かっていました。今後は公共性の高い社会保障や教育、環境といった分野への移行に注目しています」

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