肖敏捷の忠言逆耳

チャイナ・ショック再燃!?「L」字景気に突入する中国経済をどう見るべきか SMBC日興証券 中国担当シニアエコノミスト 肖 敏捷(しょう びんしょう)

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 2016年に入ってから、「中国減速」という表現を目にしない日はない。株価や原油価格の下落、企業業績悪化などの原因として「中国減速」を挙げる関係者が急増しているためだ。中国の景気減速が懸念されるなか、1月3日、中国証券監督管理委員会が株価の急落を防ぐために導入したサーキットブレーカー制度(相場の急変時に取引を強制終了する仕組み)は、逆に株式市場の暴落を誘発し、わずか4営業日で停止に追い込まれた。人民元安が加速してきたのを受け、オフショア市場では、金融当局が投機筋と死闘を繰り広げている。こうした動きがグローバル市場の懸念を余計に増幅させてしまったという意味では、中国減速がさまざまな混乱を引き起こした張本人と言われてもやむを得ない。

グローバルに高まる大型景気対策待望論

 減速の対立軸にあるのは加速あるいは回復である。だとすると、景気が回復すれば中国発のグローバル市場の混乱は収まるはずだ。案の定、日本企業や投資家の間で中国の景気回復に対する期待は強く、中国が今後どのような景気刺激策を実施してくれるのか、固唾をのんで見守っている。

 習近平政権は2013年の発足後、政府の年間成長率目標を引き下げるなど、胡錦濤~温家宝政権に比べ、投資主導型の高成長と決別する姿勢を強めてきた。それでも、李克強首相が「経済成長は中国が抱えている様々な問題を解決する有効な手段」と述べるなど、経済の安定成長維持は過去3年間、最も重要な政策課題として位置づけられてきた。景気が悪化すれば、政府が景気刺激策を実施するのではないかとの期待感が広がってくるのは、これまで繰り返されてきたパターンである。2008年秋に4兆元の景気刺激策の実施で中国経済が成し遂げたV字回復再来に対するグローバルな期待には、根強いものがある。

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