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他人の話を聴けなくなっていませんか? トレノケート シニア人材教育コンサルタント 田中淳子

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 30代前半の頃、私は多くの50代と仕事をしていた。彼ら(その頃、50代以上といえば、私の周囲には男性しかいなかった)とのコミュニケーションにはかなり苦労した。よく衝突もしたし、話がかみ合わないことにイライラしたこともあった。もちろん、それは私がまだまだ若かったためのコミュニケーション能力不足が第一に原因だし、こちらがいつも全うにぶつかっていったこともコトをややこしくしていた点は否めない。

 とはいえ、今思い出しても、やはり50代の方たちとのコミュニケーションはそれなりに難儀だった。当時、50代のコミュニケーションについて、何をどう難しく感じていたのかを思い出しながら、ポイントを整理してみたい。そして、それが今、50代になった自分にも当てはまる部分があるという反省も述べる。

 強く感じていたのは、シニアは「他人の話をほとんど聴(き)いていない」ということである。「聴いていない」には、大きく分けて2種類ある。

●そもそも聴かないタイプ

 はなから他人の話を聴こうとしない人がいた。自分の言いたいことしか言わず、他人の話には全く耳を貸さない。きちんと説明したつもりなのに、後で「その話は知らない」「その件は聴いていない」といったこともよく言われたものだ。

 でも、これはそんなに大勢ではなかった。一番多いのは、

●最後まで聴けないタイプ

 ――だ。

 このタイプの場合は、途中まで聴いて、「ああ、分かった、分かった」とばかりに腰を折る。まだ本題に入っていないのに、「こうでしょ?」と結論づけたり、持論で色々アドバイスしたりする。私の話を聴いてもらっているつもりだったのに、後半からは、ひたすらシニアが話しているのを「拝聴」するような状態になるのだ。

 上司がこのタイプの人だと人事面談も苦労した。たとえば、1時間の面談が予定されていて、私のキャリアとかやりたい仕事などについて聴いてくれるのかな、と思って臨むと、50分くらいは上司の話を聴かされる羽目になることもしばしばあった。私だけなのかと思っていたら、「私もずーっと上司の話を聴かされた」「オレ、少しも話す余地がなかった」と言っている同僚も多かったので、ホントに聴いてくれていなかったのだろう。

 シニアは、こういう自分の一方的なコミュニケーションについて、無自覚であることも特徴である。

 あるとき、後輩が、「面談で上司がほとんど話していた」と愚痴(ぐち)ってきたので、思い切って、上司に「後輩たちが話を聴いてもらえなかったと言ってましたよー」と勇気を出して言ってみたが、「え?そう?ちゃんと会話していたんだけどな」と不思議そうな顔をされて、驚いたことがある。

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