「怒る自分」への対処法

パワハラ防止のために組織が考えるべき2つのポイント アンガ-マネジメントのノウハウ伝授(3)

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働きやすい職場づくりに向けて

 誰もがパワハラの加害者にも被害者にもなりうる社会で、アンガーマネジメント的にパワハラ防止のために考えるポイントを、2つのサイドから考えてみましょう。

 <パワハラをしないために> 
1.自己の「べき」を明確にする
2.チームの多様な「べき」を受け入れる
3.チームに与える自分の影響力を知る

 1.まず自分の大切にしていること=「べき」を明確にし、優先順位をつけて感情的にならずに伝える。自分の「べき」を押し付けるのはパワハラだと自覚しよう。

 2.違いがあることを前提として「ではどうするか」を解決志向で考え行動する。どちらが正しいかの攻防戦でなく、同じベクトルを向くことができる。

 3.組織に悪い影響を与える言動を減らし、良い影響を与える振る舞いを増やす。パワハラ防止のみならず、組織活性化につながる。

 <心の耐性をあげるために>
1.許せることと許せないことを明確にする
2.率直に伝える
3.仕事以外の世界を広げる

 1.ここまではOK、これはNGと境界線を決めておく。

 境界線を越えたらNOと言う、誰かに相談するなど、自分で抱え込まずできる行動をしよう。

 2.我慢したり遠回しに言ったりしても、相手には通じない。感情的に伝えるのはNGだが、感情を伝えると相手に届きやすい。

 3.自分の居場所を複数持ち、人間関係を構築することで、自己肯定感が高まり、強い心づくりにつながる。

 アンガーマネジメントは「怒りにくく」「怒られ強い」心を作るトレーニングです。組織で取り入れ、パワハラの加害者も被害者も生まない組織づくりを目指しましょう。

(パワーハラスメントとは)
「職場のパワーハラスメントとは、同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為をいう。」
(厚生労働省「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキング・グループ」)

(注1)平成27年度個別労働紛争解決制度の施行状況より(厚生労働省)

(注2)【調査概要】調査対象者:社員(職員)100人以上の企業(団体)に勤める正社員(正職員)の男女とコールセンター勤務の男女に対して行い、部下・後輩に怒った者および顧客に怒った者(A)515名、上司・先輩に怒られた者および顧客に怒られた者(B)774名。調査方法:インターネットリサーチ。調査時期:2016年3月11日~14日。調査内容:怒りの感情が業務に及ぼす影響

川上陽子(かわかみ・ようこ)

日本アンガ-マネジメント協会アンガ-マネジメントトレーニングプロフェッショナル。筑波大学で教育学を専攻。卒業後は公立中学校英語科教諭、フリーアナウンサー、岡山県広報スタッフを経て、現在は研修講師として企業での人材育成を手掛ける。ビジネスコミュニケーション研修講師として活動するほか、アンガーマネジメントとコミュニケーション力向上を組み合わせた「部下指導」研修や、社労士の知識を生かした「ハラスメント対策」など各種コラボ研修を得意とする。

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