「怒る自分」への対処法

パワハラ防止のために組織が考えるべき2つのポイント アンガ-マネジメントのノウハウ伝授(3)

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 企業など組織で働く人にとって、どこまで叱ったらパワーハラスメントになるかなど、パワハラは深刻な問題だ。第3回は日本アンガ-マネジメント協会の川上陽子・アンガ-マネジメントトレーニングプロフェッショナル。

 「新人が辞めてしまった。また〇〇課長の部署か……」

 次々と起こる問題の原因が、実はたった1人の社員のハラスメント行為だった、という例がよくあります。パワハラ問題を解決するために、コンプライアンス徹底などのロジカルなアプローチに目を向けがちですが、実はエモーショナルなアプローチにこそ解決のヒントがあります。その手段であるアンガーマネジメント的にパワハラ防止に必要なポイントを考えてみましょう。

パワハラは企業に多大な損害を与える

 日本アンガーマネジメント協会が働く女性を対象に行った調査結果では、「働く中で『辞めたいと思った』または『実際に辞めた』ほどの怒りや不満を感じたことがあるか?」という問いに、8割強が「ある」と回答しました。また「その中で最も怒りや不満を感じたのは何に対してか?」という問いには、8割以上が上司や部下との関係やパワーハラスメントなどの「人間関係」と答えています。

 労働力不足が深刻な社会でパワハラを放置しておくことは、企業存続の危機につながりかねない大問題です。どのくらい深刻かというと、厚生労働省の調査では、総合労働相談は8年連続で100万件を超え、その内容として「いじめ・嫌がらせ」、つまりパワハラが4年連続でトップとなっているのです(※注1)。今やパワハラはどの企業も抱えている問題の1つです。企業は管理責任を問われるというだけでなく、業績・生産性向上のためにもパワハラ対策は必須であると言えます。

ダイバーシティ進むとパワハラ認知が増加

 では、昔はパワハラがなかったのか、というと、そうではありません。「俺たちが新入社員のころは怒鳴りつけられて育った」とか「怒られても我慢してきたから今がある」と、まるでパワハラは愛のムチで、それに耐えてきたことを自慢話のように語る管理職世代も多いのが実情です。

 昔と今は何が違うのでしょうか。パワハラという言葉に敏感になりすぎている世の中の風潮のせい、という見方もあるでしょう。しかし、決定的に違うのは、「多様な価値観」が存在する社会・組織になったということです。

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