「怒る自分」への対処法

職場での叱り方のコツ 「してほしいこと」を具体的に アンガ-マネジメントのノウハウ伝授(2)

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怒りの感情は伝染する

 さて、叱り方以外に次のような相談もよく受けます。

 「職場で感情的に怒る上司をなんとかしたい」

 「不機嫌な人が職場にいるだけで雰囲気が悪くなる。どうにかならないか」

 など、職場にいるイライラしている人をなんとかしたい、という相談です。

 「どうにかしたい」と思う気持ちは分かりますが、相手の感情をコントロールすることはできません。コントロールできないものを何とかならないものかと思うと、さらに怒りを大きくします。

 できるのは、相手の怒りに振り回されないこと、つまり、相手の怒りに過剰反応しないことです。

 「売り言葉に買い言葉」のように、相手の怒りに対して衝動的に言い返さない、必要以上に落ち込み、ため込まないようにしましょう。

 上司から「なんでこんなやり方をするんだ!いい加減な人間だ!」と感情的に叱られた場合、「いい加減な人間」というのは、上司の主観にすぎないから聞き流すという選択もあります。しかし、聞き流せず、心のシコリとなって残りそうだと判断するのであれば、どのように感じ、どうしてほしいのかを伝えるという選択もあります。

 例えば、「この件に関して、確認せずに進めてしまい申し訳ありません。どのようなやり方をすればいいか教えていただけないでしょうか。また、いい加減に対応したつもりがないので、いい加減とは思わないでほしいんです。」というように、叱り方のポイントと同じく、リクエストとして伝え、NGワードには気をつけましょう。

 また、怒りを直接ぶつけられなくても、周囲にイライラしている人がいて気になり、つい自分もイラッとすることがあるならば、伝染しないようにしましょう。感情は伝染するという性質があり、これを情動伝染といいます。怒りは他の感情よりもエネルギーが強いため、伝染力があるのです。

 もし仕事で関わらなければならない場合は、仕事と割り切り、必要な報告や連絡を簡潔に伝え、声をかける必要がなければ放っておく、相手がイライラし始めたら、その場から離れる、という選択があります。

 アンガーマネジメントができるようになると、相手の感情はコントロールできませんが、相手の怒りに振り回されない自分にはなれるのです。

戸田久実(とだ・くみ)

日本アンガ-マネジメント協会理事。大学卒業後、民間企業で営業、社長秘書として勤務。現在は研修講師として民間企業、官公庁の研修・講演の講師の仕事を歴任。対象は新入社員から管理職まで幅広い。講師歴は25年。登壇数は3000を超え、指導人数は10万人に及ぶ。2008年10月アドット・コミュニケーションを設立。

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