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ラグビー、女性活躍…強い組織はNZに学べ 元中銀副総裁のカンタベリー大学長に聞く(上)

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 ニュージーランド(NZ)は、6月に出産予定のアーダーン首相をはじめとする女性リーダーの活躍が注目されている。ラグビーワールドカップ(W杯)2連覇のNZ代表チーム「オールブラックス」の選手は、技術や身体能力に加えてソフトスキル(他者と協力して問題解決を図る能力)が優れている。米国離脱で暗礁に乗りかかった環太平洋経済連携協定(TPP)でも、NZ新政権が野党時代の慎重姿勢を転換し、日本やオーストラリアと協調して11カ国の新協定(TPP11)署名にこぎつけた。こうしたNZの強みは、ダイバーシティー(人材の多様性)を高め、柔軟な組織運営を目指す企業の参考になる。ニュージーランド準備銀行(中央銀行)元副総裁で現地の名門、カンタベリー大学(クライストチャーチ)のロッド・カー学長に聞いた。

■代表チーム「オールブラックス」の選手が指導

 ――リーダー人材育成のため何を重視しますか。

 「学生の本分は専攻を究めることだが、カンタベリー大はそれに加えてソフトスキル習得を重視している。優秀な個人だけで世の中は成り立たない。スペシャリストになると同時に、チームで協力し他のメンバーの力を引き出す能力を、大学で学ぶ間に身につけさせる」

 「NZは日本と似ている。火山国で地震など自然災害が多く、輸出できる鉱物資源が少ない。こうしたハンディを背負いながら、世界で存在感を示すためには、コラボレーション(協業)をリードする人材の育成が求められる」

――大学に学生の協業を促す仕組みは何かあるのですか。

 「カンタベリー大は(米英の有力総合大学と比べ)小規模な大学であるにもかかわらず、120を超す学部・学科を持つ。教員の半数がNZ国外の出身またはNZ国外で大学教員の資格を取得した人材。留学生は80カ国から集まる。国際的な環境で異なった考え方や習慣を持つことが当たり前であり、協業しなければ物事を前に進めることができない」

 「協業に必要なスキルを学ぶ機会は授業や研究だけに限らない。100年以上の伝統がある学生自治会は組織マネジメント実践の場だ。スポーツなど学生のクラブ活動は、大学が後押ししている。コーチング(対話により課題を気付かせたり動機づけしたりする指導)専門家やメンター(指導役)を配置するなどインフラを整えている。ラグビーは大学がスポンサーとなって資金やスタッフを支援している」

――ラグビーのNZ代表チーム、オールブラックスとの関係は。

 「カンタベリー大学はオールブラックスに多くのメンバーや関係者を輩出している。また、W杯前大会(2015年)優勝時の主将、キアラン・リード選手が学生のスポーツコーチングに協力している。カンタベリー大出身者で日本のラグビーチームのコーチになった人材もいる」

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