愛されシニアを目指すスキルアップ道場

「管理職は偉い」は間違い!意識や考え方を変えよう トレノケート シニア人材教育コンサルタント 田中淳子

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 もちろん、日本の会社では管理職になることを「出世する」「昇進する」と表現する。つまり「管理職になる=偉くなる・序列が上がる」と捉える文化があるのだろうが、管理職は本来、仕事で成果を出すために、仕事をよりうまく進めるという「役割」を担っているに過ぎない。管理職は成果を出すため、自分が動くより、他者を動かして仕事を進めることが求められる「役割」なだけだ。権限は多くなるが、その分、責任も重いのである。

 管理職を「仕事上の役割が違う人」だと思えば、自分より年下であっても何ら問題はないはずだが、地位の反映だと考えると、自分の上司が年下になったときのショックが大きく、モチベーションが下がるのだろう。

 繰り返すが、これはマネジメントに向いている人が、仕事上の役割としてマネジメントをするだけの話である。それに対して現場の仕事に向く人は現場の仕事で自分の専門性を生かせばよい。そこには、マネジメントと現場の仕事という役割の違いはあるが、偉さの違いはないと考えるのである。

 もし、どうしても素直に年下の上司を受け入れられないという人は、「Unlearn(アンラーン)」の視点を取り入れてみてはいかがだろう。Unlearnとは、学んだことを一度見直してみることを指す。シニアのあなたが「管理職は偉く、部下は偉くない」「上司は年上であるものだ」という考え方を身につけたのはいつだろうか。それは古い価値観だろう。自分の中における「管理職」の定義を「偉さ」ではなく、「役割」なのだと塗り替えることは、古い自分の殻を脱ぎ捨てることでもある。

シニアが昔でいう若者仕事をこなすのは当たり前

 2つ目は、シニアである自分が担当する「仕事」に対する意識や考え方を変えることである。

 この連載の第1回でも触れたが、今の50代は、昔(1980年代ごろまで)の50代が実施しなかったような、昔で言う“若者仕事”を分担するのがもう当たり前になっている。会議の準備でも、ちょっとした議事録づくりでも、年長者がしなくてもよいということはほとんどなくなってきているのではないか。これらを前向きに受け入れたい。

 そもそも、社内でミドルやシニアの割合が増えている中、「そういう“若者仕事”はオレ、やらない」「なんでそういう“若者仕事”を私がしなければならないの」などと思っていたら、仕事が片付かない。職場はどんどんスリム化されているのだから、年齢に関係なく、誰もが動かなければならない。その中でシニアが仕事をえり好みをしていたら、「シニアって動かないよねー」と若手から苦笑いされるに違いない。若者より量をこなす必要はない。要はフットワーク軽く動こうということだ。

 管理職が偉さを示すものではなく、役割を示すものであるのと同様、今は年齢が高いことで特別に扱われるわけでもない。若い人より体力が多少落ちていても、動きが遅くても、皆ですべき仕事があれば、快く分担に応じることで、他者と調和して働くことができる。これがこの連載で目指す「愛されシニア」である。

 例えば、たいていの職場で年末(など)に大掃除があると思うが、シニアがその場に現われないと、若手からの評判を一気に下げる。シニアは内心、「こういう仕事は、20代でも30代でもさんざんやってきた。あの頃の50~60代は全く参加しなかった。自分ももう50代だから、こういう力仕事などは免責してほしいな」と思わなくもないだろう。

 だが、何度も言うように、時代は変わったのだ。だから、大掃除も率先してやるぐらいがよい。せっかく参加するなら、楽しく取り組むほうがよい。シニアが前向きに、一生懸命大掃除していたら、若手もすすんで参加するし、ちゃんとシニアをリスペクトするはずだ。もちろん「大掃除」は、あくまでも1例である。職場でちょっとした雑用的なことをシニアだからといって避けていてはいけない。

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