勝ち抜く中小経営への強化書

情報サービス業者 生き残りへの取り組み 日本政策金融公庫総合研究所  研究員  楠本 敏博

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期待される行政や公的機関の支援

 自社開発の製品やサービスを提供するようになった企業事例をみてきましたが、中小企業が自社の経営資源だけで販路を開拓するのは容易ではありません。最近では、中小情報サービス業者の販路開拓を支援する地方自治体や公的機関もみられます。

 島根県は県内企業が自社開発したソフトウエアなどを販売していくにあたり、審査基準に合致すれば、展示会への出展費用や、展示会で関心を示した企業への交通費を年間150万円まで補助しています。

 また、公益財団法人しまね産業振興財団は情報サービス業に限らず、全業種を対象として中小企業が首都圏で販路を開拓できるための支援を行っています。具体的には、同財団が東京に開設している事務所に民間企業出身のアドバイザーを業界ごとに常駐させ、開発した製品やサービスがユーザー企業に受け入れられるのかどうかアドバイスしたり、需要がありそうな企業とマッチングさせて、中小企業が直接営業活動できる場を設けたりしています。

 こうした支援は、経営資源に制約のある中小情報サービス業者にとって効果的といえます。今後、多くの地方自治体や公的機関で取り組まれることが期待されます。

※本稿は、日本政策金融公庫総合研究所発行の『日本公庫総研レポート』No.2017-2「中小情報サービス業の現状と課題」(2017年6月、(株)エヌ・ティ・ティ・データ経営研究所に委託して実施した調査の報告書を当研究所が監修)の一部を抜粋・再編集したものです。(https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/soukenrepo_17_06_23.pdf
楠本 敏博(くすもと としひろ)
日本政策金融公庫総合研究所 研究員。2007年東京大学法学部を卒業後、中小企業金融公庫(現・日本政策金融公庫)入庫。現在、中小企業、地域産業動向に関する調査・研究に従事。レポート・論文に「ソーシャルビジネスの資金調達の現状について-『社会的問題と事業との関わりに関するアンケート結果』より-」(『日本政策金融公庫論集第33号』2016年11月)「中小企業における輸出継続の要因」(『日本政策金融公庫論集第37号』2017年11月)などがある。

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