勝ち抜く中小経営への強化書

情報サービス業者 生き残りへの取り組み 日本政策金融公庫総合研究所  研究員  楠本 敏博

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成長する情報サービス業

 内閣府「国民経済計算」で産業別に名目国内総生産(以下、国内総生産)をみると、卸売・小売業やサービス業を中心とする第3次産業は2016年に384兆7,453億円でした。2000年(363兆7,950億円)と比べて、5.8%増加しています(図1)。一方、同じ期間に第1次産業(「農林水産業」)が23.4%減、第2次産業(「鉱業」「製造業」「建設業」の合計)が7.9%減と減少しています。2000年代以降、第3次産業の存在感が強まっているといえます。

図1 名目国内総生産の推移

 第3次産業が国内総生産を押し上げている要因の一つとして、情報通信業の台頭が挙げられます。国民経済計算で、2000年と2016年の国内総生産をさらに細かくみると、第3次産業のうち「宿泊・飲食サービス業」は22.4%減、「卸売・小売業」は7.5%増、「運輸・郵便業」は5.1%増でしたが、「情報通信業」は10.7%増と2桁増となりました。

では、どのような業種が情報通信業の成長に寄与しているのでしょうか。総務省「日本標準産業分類」によれば、情報通信業は中分類で「通信業」「放送業」「情報サービス業(※1)」「インターネット附随サービス業」「映像・音声・文字情報制作業」の5業種から構成されています。なかでも成長著しいのが情報サービス業です。経済産業省「特定サービス産業実態調査」で情報サービス業の売上高をみると、リーマン・ショック後の2009~2011年に落ち込んだものの、2016年は10兆9,930億円と、2000年(6兆408億円)に比べて82.0%も増加しています(図2)。

(※1)本稿における情報サービス業とは、総務省「日本標準産業分類」の中分類「情報サービス業」(小分類「ソフトウエア業」「情報処理・提供サービス業」)を指します。

図2 情報サービス業の売上高の推移

 情報サービス業が堅調なのは、雇用面でも同様です。総務省「平成28年度ICTの経済分析に関する調査」で情報サービス業の雇用者数(※2)をみると、2015年は118.7万人と、2000年(97.7万人)から15年間で21.4%増加しています。

 ちなみに、総務省・経済産業省「平成24年経済センサス 活動調査」を使って情報通信業の売上高をみると、前出の中分類5業種のうち「情報サービス業」が全体の38.7%と最大のウエートを占めるまでに成長しています。

(※2)総務省「労働力調査」「接続産業連関表」などを基に、総務省が推計したもの。

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