長島聡の「和ノベーションで行こう!」

CMFで日本のものづくりの価値を引き出そう 第14回 玉井美由紀FEEL GOOD CREATION代表取締役に聞く

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長島 時間には限りがあります。オーダーメードのアプローチは、インパクトはありますが、数は限られるので面が広がっていきません。経営的なことを考えれば、面積をどう稼ぐかも重要になってきます。

違う視点で見れば失敗作も「宝の山」

玉井 私もこれまで行ったり来たりしながら考えてきました。オーダーメードの仕事が中心なので、なかなか一気には広がりませんが、やはり一つ一つ手づくりで仕事をすることが結局は普及につながるのかなと。ただ、自分たちでできることは限られます。やはり、技術メーカーやコンサルティング会社など違うジャンルの人たちと一緒に、様々な視点から知恵を出し合うことが大事だなと感じています。

長島 付加価値の話でいうと、海外の有力ブランドは価値基準で製品開発を考える企業が多いですね。日本の小さな会社が持つ、すごい技術を発掘し、うまく自社製品に取り込んでいる。ただ、その価値に見合った報酬を日本企業が受け取っているかというと、必ずしもそうではない気がしています。非常にもったいない話です。

玉井 確かに、アパレルなどの世界では多いですよね。世界で唯一の価値なんだから、堂々と胸を張って主張すればいい。技術者は100%の正解を求めがちですが、価値とは正解がないことが正解、みたいなところもあります。いろんな考え、いろんな感じ方があっていい。私はよく工場見学に行くのですが、「あっ、これ何ですか」と聞くと、「いや、これ失敗作だから」と隠されることがよくあります。でも、外の人間から見ると「宝の山」なんですよね。違う視点で見ると、新しい価値が見えてくるはずです。

 日本人は自分たちの技術を価値に置き換えることに慣れていないのかもしれません。私の体験から言うと、ある程度トレーニングすることで身に付けられます。ユーザーが買うときの状況を想像する。そのためには観察眼が必要ですし、いろんな知識もあった方がいい。いったん、コツをつかむと日常生活でも意識するようになります。

長島 時代の流れが速くなり、現場も経営陣も目の前のことに追われがちで、そこまで意識が向かないのかもしれません。経営でいうと、業務を効率化するための機能別組織が、より先鋭化して、ますますタコツボ化している。これをやり始めると、新しい価値は絶対に生まれてきません。すごく危機感を覚えます。

玉井 私はデザイナーだからかもしれませんが、いつも完成図が先にある。つまり、この製品の価値は何か、ということから考えるようにしています。そうすると、プロセスでいろんな要素が入ってきても、ぶれることが少ないように思います。

長島 最後に、今年のSENSEはいつの予定ですか。

玉井 11月1日~3日です。最終日は文化の日ですので、ぜひご家族でいらしていただきたいですね。お子さんにも楽しめる展示会ですので。

長島 私も楽しみにしています。今日はありがとうございました。

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