長島聡の「和ノベーションで行こう!」

CMFで日本のものづくりの価値を引き出そう 第14回 玉井美由紀FEEL GOOD CREATION代表取締役に聞く

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 日本型のイノベーション=「和ノベーション」を実現していくには何が必要か。ドイツ系戦略コンサルティングファーム、ローランド・ベルガーの長島聡社長が、圧倒的な熱量を持って未来に挑む担い手たちを紹介していくシリーズ。第14回はモノの表面を専門にデザインするFEEL GOOD CREATIONの玉井美由紀代表取締役です。

色・素材・加工の組み合わせ

長島 玉井さんとお会いしたのは、日本の素形材産業を元気にするための経済産業省の研究会が最初でした。CMFという考え方を通じて、最終製品の開発者と部品などを加工する素形材企業とをつなぐ独自の活動に感銘を受け、詳しくお話をお聞きしたいと思った次第です。まず、CMFとは何か、教えていただけますか。

玉井 モノの表面を構成するColor(色)、Material(素材)、Finish(加工)の3要素の頭文字を取ったもので、この3つが合わさってこそ顧客の心に付加価値として届けられるという考え方です。

長島 玉井さんは日本におけるCMFデザイナーの草分けですが、どうしてこの分野に進もうと思ったのですか。

玉井 もともと美術大でテキスタイル、つまり布のデザインを専門に勉強しました。就職先としてはファッション系、インテリアデザイン、自動車のシート開発などがあるのですが、私は車が好きだったので、ホンダの研究・開発機関である本田技術研究所に入社して、シートや内装の色柄などのデザインを担当しました。入社当時は車の内装といえば、黒かグレーが定番。私はもっといろんな色、特に女性の視点でかわいい、明るい色があればいいと思い、いろいろ提案したのですが、なかなか受け入れられなかったのです。

長島 私も車好きなのですが、たしか、ホンダの「S-MX」でオレンジ色のシートが出て、これは斬新だなと思った記憶があります。

玉井 それは私が入社してすぐ担当した車です。ホンダとしては初めての色で、かなりとんがった提案でしたね。ただ、理想と現実のギャップは大きく、悶々としていた時期に、CMFという考え方が欧州にあると聞いたのです。会社を辞める2~3年前だったと思います。とても興味を引かれ、欧州で専門分野として確立しているなら、日本でもそうあるべきだと考え、会社を2005年に辞め、2007年に今の会社を設立しました。

長島 CMFという言葉を日本で商標登録していますよね。

玉井 2011年に登録しました。CMFと言っても、日本では全く知られておらず、なかなか理解されなかったので、まず言葉を普及させようと思ったのです。ある程度、理解されるようになるまで5~6年はかかりましたね。

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