現場力がみるみる上がる 実践なぜなぜ分析

なぜなぜ分析の"誤認逮捕"を防ぐコツ マネジメント・ダイナミクス 小倉仁志 氏

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「なぜなぜ分析」はQC活動の一環として生産現場で広く利用されてきましたが、最近は営業や事務などの職場でヒューマンエラーを減らしたり、お客様相談室で苦情を分析したりすることに役立てる企業も増えています。しかし、「なぜ」を繰り返しながら正しく原因を導き出せるようになるには、適切な指導と訓練が必要です。やり方が悪いと「本質ではない原因」を犯人だと"誤認逮捕"する事態に陥ります。本連載は管理者(ミドル)の視点から、ストーリー仕立てで「なぜなぜ分析のコツ」を解説していきます。

現場の大失態に即刻「なぜなぜ」指導、上司は情報収集力を磨け

 ナゼナゼ社の工場にて。太郎さんと同僚の杉さんが休憩室でコーヒーを飲んでいるところに、山辺課長が飛び込んできた。「2人とも、ちょっと事務所に来てくれないか」。突然の呼び出しに不安を抱えたまま、2人は山辺課長についていく。歩きながら山辺課長が2人に話しかける。

 「昨日ロジック社に納入した製品(設備)で、オプション品の天板が外れているという連絡が入ったんだ」

 「えっ、天板。オレが組み立てたやつだな。今までそんなヘマをしでかしたことはなかったんだけど」。杉さんは自分が組み立てたものにミスがあったと言われても合点がいかない。「太郎さんが検査した製品でもあるんだよな」。山辺課長の発言に、太郎さんと杉さんは気まずそうに顔を見合わす。

 事務所に着くなり、営業部のミツオさんから電話が入る。「今、ロジック社から電話をしているんですが、確かに天板が外れています。天板は梱包袋の中で引っかかっていました」

 山辺課長はミツオさんに改めて、事実確認を要請する。「ねじを締めた痕跡があるか、確かめてくれないか」「見た限りでは、ねじを締めた痕跡は確認できませんね。それに、天板を取り付けるための4本のねじがどこにも見当たりません」

 「そうか。ということは初めから4本のねじ全てが取り付けられていなかったことになるな」「ねじの4本ぐらい、営業車の中に転がっているので取り付けちゃいましょうか」。ミツオさんからの思わぬ提案だったが、ミスが続くことを恐れ、山辺課長はそれを遮る。

 「お気遣いはありがたい。しかしミツオさんはやらなくていい。こっちの仕事だ。そちらに松さんを派遣しよう。松さんには天板以外にも問題がないか、チェックしてもらうことにする」「了解しました。このままロジック社で松さんの到着を待ちます」。電話を終えた山辺課長が松さんに、ロジック社に向かうように指示を出した。

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