現場力がみるみる上がる 実践なぜなぜ分析

間違った「なぜなぜ」を導く表現不足の言葉 マネジメント・ダイナミクス 小倉仁志 氏

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なぜなぜ分析においては、事象やなぜの文中に副詞を入れることでその意味が変わり、続くなぜも全く異なってくる。勝負の世界でも「いつも負ける」と「時々負ける」では、敗因が多少もしくはかなり違うことがほとんどで、当然、改善策も変わってしまう。この「なぜなぜ分析のコツ」を、管理者の視点からストーリー仕立てで解説する。

副詞の表現によって、なぜが変わる

 ナゼナゼ社の工場にて。携帯電話から太郎さんの声が聞こえてくる。「ライトが点灯しないんですが、竹さんこっちに来てもらえませんか」。了解、と返事をした竹さんが電話を切る。とりあえず替えの電球を持っていこうと、竹さんは部品棚から新しい電球を取り出し、太郎さんの所に向かった。

 太郎さんを見つけるなり、「ライトが点灯しないって、どの電球だい?」と尋ねる。すると太郎さんが「これなんです」と指さす。ところが太郎さんが指し示したライトは点灯している。

 「これ、ついているじゃないか」。その突っ込みに太郎さんは戸惑いながら、「そうなんです。ついたり消えたりするんです」と説明する。それを聞いた竹さんは不満げな表情で「さっきの電話では『ライトが点灯しない』って言っていたじゃないか。だから替えを持ってきたんだぞ」。

「さっきまでは確かに消えていました。でもスイッチを入れ直したら、ついたんです」

「以前からスイッチを入れた後についたり消えたりしていたんじゃないか?」

「確かに」

「それなら『ライトが時々点灯しない』と言ってくれなくちゃ困るな。とりあえず、原因を調べてみるか。どこか接触が悪くなっているんだと思うけど」

 ライトを分解しながら、竹さんは続ける。「ライトが点灯しないのはなぜかと聞かれたら、普通は『電球が切れたんじゃないか』とか、『電池が切れたんじゃないか』と考えてしまうだろ。物事の状態を表現する場合、ある一時点だけを捉えて表現しては駄目なんだ。その時点までの傾向を踏まえて、的確に表現してもらわないと。直す方だって間違えてしまうよ」「表現には気をつけます」

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