デジタルトランスフォーメーションへの道

国交省がインスタで国内半島の振興に取り組んだ理由

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――インスタのような流行のサービスを活用しようと決めたのはいつごろでしょうか?

 2017年の夏前ぐらいには、「インスタを活用する」「学生に半島地域で撮影してもらう」というアイデアがあり、半島振興室のスタッフにも話していましたが、すぐ決まったわけではありません。今回の企画を現場でとりまとめた馬場清史(半島振興室 事業係長)などが、ハッカソンなどを含めた複数のアイデアを時間をかけて検討した結果、大学生がインスタ映えする写真を撮影して、同年代の若者へ半島の魅力を発信するという今回の企画の方向性が決まりました。

 ただ、大学生を実際に連れて行く企画は過去に例がなく、万一のことが起きてはいけないので、自分が陣頭指揮をとろうと考えました。2017年11月の終わりぐらいから、今回の「半島のじかん」のプロジェクトにリーダーとして参加し、プロジェクト終了まで関わっています。ミーティングには必ず参加し、細かなことまで決めました。例えば、1つの大学の大学生に1つの半島地域へ行って撮影してもらえば、企画として成立はしますが、できるだけ多くの地域の魅力を伝えたいので、2つの大学の学生に別々の半島へ行ってもらうようにしました。

 さらに撮影した写真などを都内の若者などに向けて発表するイベントを東京で行うので、その準備も必要になります。また学生はインスタに慣れていないため、手ほどきをしてくれるインスタグラマーの方を急いで探しました。

 時間は限られていますので、矢継ぎ早に準備を進めていきました。最初に、関西在住のインスタグラマーの方に協力をいただき、事前調査のため、東京と関西の間に位置する三重県の紀伊半島地域へ1月8日に赴き、伊勢神宮外宮と鳥羽駅周辺を巡って写真を撮影しました。事前調査では手分けして写真を撮影しながら、インスタ写真の撮影に向いたポイントを探りました。我々も学生の気持ちになって、実際にインスタ向けの写真を撮影し、夜には各自が写真を持ち寄って議論を重ねています。

――苦労したところや工夫したところはどのようなことでしょうか?

 インスタへの投稿だけでなく、投稿写真を使ったポスターを制作するようにしたことが工夫の1つです。半島地域は地図で見ると半島だとすぐわかるのですが、1枚の写真で半島を表現することは容易ではありません。そこで海と山の写真を複数組み合わせつつ、半島ならではキーワードを入れたポスターを制作するようにしました。

 ポスターには、まとまった成果として残せるという利点もあります。半島振興室でインスタのアカウントを作ると持続的な管理が必要になりますが、人事異動などもありますので予想以上にハードルが高いと感じました。そこで参加したみなさんには個人のインスタアカウントで写真を投稿してもらうことにしたのですが、それでは成果となる写真が分散してしまうことになります。ポスターであれば、複数の写真をまとめて残すことが比較的容易です。

 実際に自分たちでポスターを作り、そのノウハウを学生に伝えて、学生にポスターを制作してもらいました。私自身も事前調査に加わり、自分のデジタルカメラで写真を撮影し、ポスターも制作しています。

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