経営層のための「稼ぐ力」を高める不動産戦略

CFO! リストラするなら不動産でしょ JLL 執行役員 コーポレート営業本部長 佐藤 俊朗氏

記事保存

日経BizGate会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。

不動産のリストラは効果的な財務戦略

 リストラと聞くと人員削減をイメージしがちですが、実は大きな効果が見込めるのは不動産のリストラです。多くの企業にとって、固定費の中で人件費に次いで大きく、総資産の大きな一角を占める不動産。これを企業価値向上の観点から戦略的にリストラしている日本企業は多くありません。人員削減とは違い、不動産をリストラしても、適切であれば誰もネガティブな感覚にはなりません。むしろ、株主や投資家からは自己資本利益率(ROE)などが示す企業価値向上につながり評価されます。

 リストラとはリストラクチャリング(再構築)の略語です。本来は、不採算や滞留している事業などの整理とともに、成長事業やより利益を生み出すものへ経営資源を集中して事業を再構築することを意味します。不動産のリストラクチャリングは損益計算書(P/L)と貸借対照表(バランスシート、B/S)の両方に効き、強力な経営効果をもたらします。

B/S上の不動産資産インパクト

 ここで、企業が事業インフラとして活用する不動産の中で最も一般的なオフィスを例にとって、不動産投資における財務上の位置づけを見てみます。所有するオフィスビルだけでなく、賃借オフィスでもオフィス家具や内装・電気工事、空調機器といった関連設備など、人が働くスペースをつくるためには様々な資産投資が必要です。金額で表すことのできる経営資源である不動産関連投資はB/S上の資産の部の固定資産の中で、特に「重い」資産に分類されます。

 この不動産関連資産は総資産利益率(ROA)のA(アセット)である総資本や、ROEのE(自己資本)に大きく影響します。また、所有不動産ではなく賃借であっても、国際会計基準(IFRS)を導入する企業で一定の賃料コストが資産勘定される場合も同様です。ROEやROAは分母である資産を効果的に圧縮できれば改善します。人件費が資産として計上されない人員削減と、ここが異なる部分です。

閲覧履歴

    クリッピングした記事

    会員登録後、気になる記事をクリッピングできます。