日経ソーシャルビジネスコンテスト関連特集

「ソサエティー5.0」時代のソーシャルビジネスとは? 公共サービス・地方課題も革新の好機

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■第3部、表彰団体の紹介

地域創生賞 コラボプラネット「塾がない地方に出張教室」

 周辺に塾が無い地方を拠点に出張型の「学習塾ブランチ」を展開する。現在、本社のある福岡県糸島市を含む県内14カ所で、小中学生を対象にした教室を運営。コンセプトに「もっと身近に学びの場を」を掲げ、子供が少ない地域の“塾難民”に狙いを定める。

 商店街の空き店舗や寺社、集会所……。教室として使うのは、あまり活用されていない地域の遊休スペースだ。地方では都市部の塾まで通う場合、長時間の移動や親の車の送迎など負担が大きい。自宅近くに塾があることは、利用者にとって大きなメリットになる。

 教室の管理者には地域のシニアや主婦を登用することで、生徒数が10人程度の教室でも運営を持続できる仕組みを構築した。

 生徒はタブレット端末を通じた映像教材を中心に個別の授業計画に沿って学習する。教室ごとの専任講師はおらず、教室管理者が対応できない質問には、オンラインで待機している大学生や、教室を巡回する本部の講師がサポートする。

 西原申敏代表取締役は「全校生徒が200人以下の学校地域は全国で3割を超える。教育機会の格差をなくすため、全国3500校の開校を目標に据えていく」と意気込む。

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海外支援賞 AfriMedico「アフリカで置き薬×IT」

 日本発祥の「置き薬」にIT(情報技術)を組み合わせた仕組みを、医療が行き届かないアフリカ市場に持ち込んだ。

 2014年、薬剤師で医療ボランティア活動の経験を持つ町井恵理代表が団体を設立した。置き薬は富山を中心に江戸時代に広がった300年続く仕組み。風邪薬や下痢止めや鎮痛剤などが入った薬箱を家庭に配置し、使用分の料金を後払いで回収する方式だ。

 同法人はタンザニアの農村部を中心に活動している。都市部は高層ビルが立ち並ぶが「一歩外に出ると携帯は通じず、病院も無ければ薬も無い」(青木基浩理事)。

 「現代版置き薬」に目をつけたのは、病院や薬局までのアクセスが徒歩1時間以上のエリアが多く、十分な薬が無い病院もあるためだ。

 同国では発熱など軽症であっても早期の治療が難しく、重篤化して死に至る人が後を絶たない。年間で11万人を超える5歳未満の子供が命を奪われているデータもある。

 同法人が手掛ける現代版の置き薬は、薬の在庫や補充をITによるデータ管理で行う。青木理事は「徐々に利用件数が増え、100件まできた。ITで得たデータを生かし、周辺国にもビジネスとして広げていきたい」と語った。

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特別賞 キャンサーペアレンツ「子持ちがん患者 使途で交流」

 子供を持つがん患者のための交流サイト「キャンサーペアレンツ」(東京・足立)を運営する。2016年4月に開設、1500人を超える会員を獲得した。家庭や職場では言いにくい悩みを相談できる場になっている。

 代表理事を務める西口洋平氏は15年、35歳で胆管がんの告知を受けた。最も進行した「ステージ4」の診断で、5年後生存率が極めて低いという厳しい現実を突きつけられた。

 妻や小学生の娘の生活はどうなるのか、仕事はどうすればいいのか――。「子供のことを相談できる人が誰一人いない」状況を変えるべく法人を立ち上げた。

 交流サイトでは、がんの種類や配偶者の有無、子供の年齢などの条件で検索すると境遇の似た人を見つけられ、メッセージの交換や互いの日記が読める。

 西口氏はがん患者の状況やニーズを、患者向け商品開発をする企業や研究機関に発信。新たなビジネスの展開を進めている。「がんをカミングアウトしにくい環境を変えていきたい」と決意を語った。

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