現場力がみるみる上がる 実践なぜなぜ分析

本当にそれしかない?「チェックリスト」という安易な再発防止策 マネジメント・ダイナミクス 小倉仁志 氏

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 現場の人たちにとって最適な再発防止策を導くためには、「チェックしなかった」の中身を具体的にとらえつつ、「なぜ」の文をより詳細に書き出す必要がある。「どの時点で」「誰が」「何のどの部分を」「何を使って」「どのような順番で」といった内容を付け加えながら、ミスの発生に至った要因を探っていく。

 場合によっては、「たまたま」なのか「いつも」なのか、「全て」なのか「一部だけ」なのか、「当事者だけ」なのか「他の人も」なのかといった検討を加える。失敗した当事者が当時のいきさつをよりリアルに思い起こすことができ、しかも一緒に分析する人もミスの発生に至ったいきさつをよりリアルにたどることができる。

 ただしこの時、管理職は部下を追い詰めるような尋問スタイルの聞き取り調査をしてはならない。トラブルを起こした職場がやるべきことはあくまでも「今を変えること」であり、導き出した再発防止策を次に生かすことである。

 管理職が原因追究の目的を明示し、一緒に分析を行うことで、当事者も安心してミスの原因を考えられる。再発防止策の矛先を安易な「チェックリスト作成」に向かわせないためには、上司が部下と向き合う姿勢がキーポイントになるだろう。

小倉 仁志 著 『現場力がみるみる上がる 実践 なぜなぜ分析』(日本経済新聞出版社、2015年)の「「チェックしなかった」にとどめず防止策を導け」から
小倉 仁志(おぐら ひとし)
マネジメント・ダイナミクス社長。中小企業診断士。1985年、東京工業大学卒。デュポン・ジャパン(現デュポン)入社。92年より日本プラントメンテナンス協会にてTPM(トータル・プロダクティブ・メンテナンス)などの指導に従事。「なぜなぜ分析」のルール化、体系化に取り組む。2005年に独立し、マネジメント・ダイナミクスを設立。『問題解決力がみるみる身につく 実践 なぜなぜ分析』『クイズで学ぶ なぜなぜ分析超入門』など著書多数。

キーワード:経営・企画、人事・経理、営業、技術、製造、経営層、管理職、プレーヤー、人事、人材、研修、ICT、イノベーション、ものづくり

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