現場力がみるみる上がる 実践なぜなぜ分析

本当にそれしかない?「チェックリスト」という安易な再発防止策 マネジメント・ダイナミクス 小倉仁志 氏

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「そんな大事なことを忘れちゃったの? 営業担当者として失格ね」

「いつもながら、きついこと言うね」

「だってそうでしょ。それで忘れてしまったのはなぜ?」

「忘れてしまったのはなぜって考えても、ろくな答えが出てこないんだ。だからここでなぜの繰り返しはやめて、再発防止策を出すよ」

「じゃあ、次はどうするの?」

「『○○に気づかなかった』というなぜが入らないか考えろって、以前の分析で部長に言われたなあ」

「じゃあ、『標準金額を入力してしまったことに気づかなかった』じゃないの?」

「そうだね」

「標準金額を入力してしまったことに気づかなかったのはなぜなの?」

「それはね、『チェックリストが無かった』でいいんじゃないかな?」

「何か安易な結論ね」

「でもそれしか思いつかないんだ」

 行き詰まった2人の前に、タイミングよくナンデ課長が登場した。「チエさんが手伝っているのか。それで分析はどうなった、ミツオさん」。ミツオさんはその時点までに仕上がった分析をナンデ課長に見せた。「標準金額から変更したことを忘れてしまったのか。一番大事なことを忘れるようじゃ、営業失格だぞ」とナンデ課長。ミツオさんは同じことを2度も言われて立つ瀬なし。

 ナンデ課長は続けて、「全てのなぜに『主語』が抜けているじゃないか。そろそろ主語を抜かさずに分析してもらいたいものだな。すぐに修正だ」と声を荒げた。ナンデ課長の指示を受けて、2人は手分けして主語を付け足す。

「チェックリストを作成する」しか浮かばないのは問題

 「ところでこの『チェックしなかった』に対し、『チェックリストを作成する』という安易な答えは何だ。こんな再発防止策で今回のトラブルを無くせると思っているのか」とナンデ課長が指摘した。

 「でもチェックリストしか思い浮かばないんです」。ミツオさんが困っている時に限って、チエさんの鋭い突っ込みが入る。「そういえば、顧客履歴を見れば分かったんじゃないの?」「チエさんの言う通りだ。顧客との会合の経過を入力する顧客履歴でチェックすればよかったんじゃないのか?」

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