現場力がみるみる上がる 実践なぜなぜ分析

本当にそれしかない?「チェックリスト」という安易な再発防止策 マネジメント・ダイナミクス 小倉仁志 氏

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 人為的なミスの原因をなぜなぜ分析で掘り下げていくと、「チェックしなかった」という要因が頻繁に出てくる。それに対し、現場は「チェックリストを作成する」という安易な再発防止策に持ち込んでしまいがちだが、それで十分だろうか。現場の人たちにとって最適な再発防止策を導くためには、「チェックしなかった」の中身を具体的にとらえつつ、「なぜ」の文をより詳細に書き出す必要がある。この点を、管理者の視点からストーリー仕立てで解説する。

具体的かつ詳細になぜを記述する癖をつける

 ナゼナゼ社の営業部にて。ミツオさんとチエさんが言い合いをしている。「ミツオさんはいつもどこかぬけているのよね」「チエさんだってお客様の名前を間違えたことがあったじゃないか。確かに今回のミスは、チェックしなかった自分のせいではあるけれど」

 実はミツオさん、2日前にロジック社に見積書を送ったのだが、間違いが発覚した。今朝、ロジック社の担当者から「見積金額に間違いがあるから、すぐに修正したものを送ってほしい」と連絡を受けた。ミツオさんがそのことをナンデ課長に報告したところ、大目玉をくらった。

 ナンデ課長からはすぐになぜなぜ分析を実施して、再発防止策を立てるようにと指示を受けた。ミツオさんは1人で分析をしていたのだが、なかなかはかどらない。見かねたチエさんが茶々を入れた。「この前の分析でコツをつかんだから、手伝ってあげようか。いきさつを教えてくれない?」

 「えっ、ほんと。この分析を早く片付けないといけないから助かるよ」。開き直ったミツオさんはチエさんに見積金額を間違えたいきさつを説明し、分析に取りかかった。いきさつをフロー図にまとめ、「なぜ」の検討に入った。

「標準金額が書かれた見積書がロジック社に送られたのはなぜかというと、『標準金額の記載された見積書をロジック社に送ってしまった』から」

「それで?」

「標準金額の記載された見積書をロジック社に送ってしまったのは、『標準金額を入力してしまった』でいいんだよね?」

「じゃあ、なぜ標準金額を入力してしまったの?」

「それは『6月3日の顧客との会合で、標準金額から変更したことを忘れてしまった』んだ」

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