GRIT!やり抜く変革マネジメント

熱い「想い」は科学的に変革へつなげよう! マネジメントソリューションズ 横江真由美氏

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 ビジネス的な効果が現れない場合、従業員の「心理課題」や「環境課題」(変革実施前の「心理リスク」と「環境リスク」といった変革リスクが、プロジェクト終了後に課題として顕在化したもの)を整理し、適切な対策を継続的に実施します。変革プロジェクトのチームは解散していますが、担当組織・担当者を決めて、しつこいぐらい経過観察および課題への対策を行っていきます。

 ここでも変革リスクへの対処は重要です。例えば、従業員への変革コミュニケーションで「心理リスク」を取り除き、従業員がやる気になったとしても「環境リスク」が残っていれば変革は進みません。セールス業務をITで強化したときも、ITを活用することが評価対象になっていなければ、ITを活用しようとする努力は続きません。継続的に従業員からのフィードバックで状況を確認しながら、必要に応じて真摯(しんし)な対応を実施していくのが鉄則です。

変革は必ずマネジメントする

 変革を確実・迅速に成功させるには、上記段階の変革プロセスを適切に実行すると同時に、変革全体に対する「マネジメント」活動が重要になります。基本は変革プロジェクトの計画とその実施状況を「見える化」することで、当たり前と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、意外にマネジメントされていません。

 そもそも変革のプロジェクト計画を立てない。そのため、人的リソースや予算を確保できない。リソースや予算がないため、変革に向けた活動が腰砕けになる――といったケースが典型的です。

 よくあるのは、ITの導入活動、新しい仕組みやルールの構築活動のみがマネジメントされているケースですが、それらは先に述べたように「手段」に過ぎません。

 本当に変革をマネジメントするなら、「社長の熱い『想い』をビジョンや戦略にする」「変革リスクを洗い出す」「変革コミュニケーションを行う」「変革プロジェクト終了後の課題に対処する」といったレベルで、「計画」→「実行」→「進捗」→「効果の測定」の流れを確立することが不可欠です。

 これら一連の変革活動の計画は、文書として明確化し、従業員の共通認識にします。共通認識化されていないと、みんなの「想い」が1つになれないため、同じ方向を向いて変革活動を推進することができません。

 付け加えると、多くの変革プロジェクトの「マネジメント」活動では、ビジョンを決定し、文書化したところで、安心することが多いようです。さらに一歩踏み込んで、文書で定義したビジョンを従業員の共通認識にする活動にもっと重点を置くべきです。

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