GRIT!やり抜く変革マネジメント

熱い「想い」は科学的に変革へつなげよう! マネジメントソリューションズ 横江真由美氏

記事保存

日経BizGate会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。

「変革のためのビジョンを周知徹底する」「従業員の自発を促す」プロセスのポイント

 「変革のためのビジョンを周知徹底する」とはコッター氏の著書では「ビジョンに示された目標と方向について共通の理解を持つ」こととされています。また、「従業員の自発を促す」はコッター氏の著書では「変革ビジョンの推進を妨げる障害をできる限り取り除くことによって、数多くの従業員が必要アクションを取れるようにエンパワーしていく」ことです。それらを実現する際には、「変革コミュニケーション」が重要になります。

 変革コミュニケーションは、場当たり的ではいけません。事務連絡であってはいけません。変革の実現をいっしょにサポートしてくれる従業員を育てる活動と言えるでしょう。

 変革コミュニケーションでは、ビジョンを中心に伝えて変革に共感してもらい、変革のゴールに向けて従業員自ら動いてもらうことを目標にします。詳細は、やはり筆者の記事「『腹落ちしてない従業員』は、すぐ変革を忘れる」を参照いただければ幸いですが、簡単にまとめると以下のようなことです。

 例えば、セールス系の業務ソフトウエア導入により、業務プロセスを変える際の変革コミュニケーションを考えましょう。この変革コミュニケーションのゴールは、従業員が業務ソフトウエアをベースに仕事することを当たり前だと感じてもらうことです。

 そのために、「従業員にどんなメッセージを出せばよいのか」「いつのタイミングで出していけばよいのか」「誰から発信すればよいのか」「どんな形式で発信すればよいのか」などを十分に考え、計画して確実に実施していく必要があります。メッセージは、従業員が業務ソフトウエアを利用するメリットを感じられるものにするとともに、従業員が業務ソフトウエアの利用に負担を感じないよう従業員の心の準備度合いまで考慮して発信することが理想です。

 また、変革コミュニケーションでいう「コミュニケーション」は、電子メールや会議体で実施される活動のみを指すわけではありません。変革活動そのものへの参加機会の提供、意見提供、コーチング、ディスカッション、トレーニングを中心とした新たな業務の体感といったやりとりすべてを指します。

「新しい方法を企業文化に定着させる」プロセスのポイント

 「新しい方法を企業文化に定着させる」プロセスは、コッター氏の著書では「企業の中核的な文化に新しい実践を深く根付かせる」「場合によってはこれまでの企業文化を変えていく」こととされています。

 残念ながら失敗する変革プロジェクトの多くは、手段の導入・構築で終わってしまいます。従業員に新しい制度、仕組み、ルール、ITが提供されるのですが、本当の変革はその後であることを忘れてはいけません。新しい制度などが全業務に定着して、そのビジネス的な効果がきちんと現れるところ、さらには社長が交代しても変革前の状態に戻らないところまでが変革です。

閲覧履歴

    クリッピングした記事

    会員登録後、気になる記事をクリッピングできます。