今さら聞けない!プロジェクトマネジメントのい・ろ・は

プロジェクトマネジャーになったらまず何をすべき?(上) マネジメントソリューションズ 横江真由美

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 この連載では数々のプロジェクトを支援してきた私たちマネジメントソリューションズの経験をもとに、「これは大切・基本だ」と感じたプロジェクトマネジメントのポイントをQ&A形式でお伝えしていきます。プロジェクトへ参加する際に関連書籍を読まれ、「プロジェクトマネジメントは難しい!」と不安を感じる方もいらっしゃると思いますが、要は「段取り」と「やりくり」の世界です。

 昨今、多くの会社では大小さまざまなプロジェクトが実施されており、だれでもプロジェクトのとりまとめ役である「プロジェクトマネジャー」にアサインされる可能性があります。プロジェクトマネジメントは今やビジネスパーソンの基本スキルの1つになったと言えるでしょう。

 一方、現実のプロジェクトは次第に難しくなる傾向があります。要求されるプロジェクト期間は短くなってきていますし、プロジェクトマネジャーや、プロジェクトマネジメント活動に期待される内容もぐっと高度になりました。そんなプロジェクトを取り巻く環境についても考慮しながら、ポイントをお伝えします。

 ご存じのように、プロジェクトは1つひとつ違います。よってプロジェクトをマネジメントするに当たって、対応方法や考慮ポイントもさまざまです。あくまでも1つの例として捉え、参考にしていただければ幸いです。

Q プロジェクトマネジャーになったらまず何をすべき?
A1 【目的】(真の目的)をしっかり見極めます。(Why?)

 さあ、あなたの身に以下のようなことが、起きたらどうしますか?まず何をしますか?

上司 来月から、あるプロジェクトのプロジェクトマネジャーをお願いできないでしょうか?

あなた 私ですか?お言葉ですが、私は毎日の業務で手一杯で、それをこなしながらプロジェクトをとりまとめる余裕はありません。

上司 あなたの仕事が忙しいのは理解しています。しかし、これまでの業務経験から、ぜひお願いしたいのです。あなたの毎日の業務については配慮しますし、プロジェクトの予算は捻出します。

あなた 肝心なことですが、私はこれまでプロジェクトの「メンバー」としての経験はありますが、それもずいぶん前のことです。ましてやプロジェクトマネジャーなんて経験がないですよ。

上司 当時のプロジェクトマネジャーの人はもう定年退職しました。社内にプロジェクトマネジャーの経験がある人はもういません。プロジェクトメンバーとしての経験がある、あなたが適任です。

あなた ...。ところでどんなプロジェクトなんですか?

上司 人事領域の業務にソフトウエア版ロボットの「RPA」というITツールを導入して、業務を効率化したいと考えています。導入を支援するベンダーは選定済みですから、まずはベンダー側の担当者と話してくれませんか?

 何よりも最初に実施すべきことは、プロジェクトの【目的】の確認・定義です。

 プロジェクトの【目的】は、プロジェクトを依頼してきた上司の話、ベンダーの提案資料や各種資料からすぐ分かると思われる方も多いでしょうが、実はそう簡単なことではありません。

 例えば、このケースでは、プロジェクトの【目的】をどのように定義されますか。

 上司の言葉から、このプロジェクトの【目的】は「人事業務領域にRPAツールを導入すること」だと、とらえる方もいるかもしれません。しかし、これは真の目的を実現するためのステップであって、【目的】ではありません。

 ちょっと考えるとわかりますが、上司が本当に実現したいのは「人事領域の業務を効率化する」ことで、これこそがプロジェクトの【目的】(真の目的)です。

 この例では、すぐ答えがわかるようにしましたが、現実は必ずしもそうではありません。複雑に絡んだひもを解くようなことが必要になる場合もあります。

 【目的】を定義するために、プロジェクトマネジャーがまず行うべきことは、資料などを鵜呑みにせず、自分自身でそのプロジェクトの【目的】を確認することです。それには関係者(経営層やプロジェクトのオーナーといった社内の責任者)へのヒアリングをすることになるでしょう。

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