デジタルマーケティング 今を読む

米アマゾン「目を持つAI」の威力 ボストン・コンサルティング・グループ 森田章パートナー

記事保存

日経BizGate会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。

■外部の企業も連携可能、受注や予約に活用

 アレクサは生みの親であるアマゾンだけがレコメンド機能を独占するわけではない。アレクサの情報処理やサービスを提供するアレクサ・スキルキット(ASK)は、API(Application Programing Interface)で外部企業のシステムと連携し、アマゾン以外の第三者が開発することが出来る。

 米国では多くの企業が独自にASKを開発して、アレクサと連携したサービスを提供している。例えば、ドミノ・ピザの場合、エコー経由で前回と同じピザを注文したり、配達状況を確認したり出来る。米国のライドシェア(相乗り)最大手のウーバーテクノロジーズも提供しており、登録した消費者がエコーに「Alexa, ask Uber for a ride!」と声を掛ければ車を呼ぶことが出来る。

 ビジネスにエコーやエコールックを活用するためには、アレクサ上でいかに利便性が高いサービス(skill)を提供できるかが重要になる。成功すれば果実は大きい。適切なタイミングで販売できれば消費者にとっても心地が良い。リビングルームにエコーやエコールックが置かれることで、企業はマーケティングの対象をが個人から家族に広げることができる。将来的に各個人の部屋にも置かれるようになれば、家庭内の一人一人に合わせた提案も出来るようになる。

 一方、消費者の購買チャネルのECシフトを加速する可能性があるため、リアルの店舗への依存度が高い小売業には脅威になるだろう。

 AI活用でパーソナライズ(個人対応)を徹底したサービスを提供できる分野としては、健康情報も有望だ。日本のスタートアップで興味深い事例がある。

■スマホの中に専属「ダイエット家庭教師」

 フィットネスアプリを開発するFiNC(東京・千代田)は「ダイエット家庭教師」というマンツーマンの健康指導を提供。大手企業などが社員の健康促進に導入している。

 スマートフォン(スマホ)などで申し込み、カウンセリングもオンラインで受ける。遺伝子・血液検査キットを家に送ってもらい、検体を返送する。その後、アンケート回答やサプリメントなどサポート商品の受け取りを経てプログラムが始まる。

 利用者は毎朝の体重や毎度の食事写真をアプリで投稿。栄養士が評価し、アドバイスやチャット相談に応じる。また、アプリの動画に合わせて自宅などで簡単なトレーニングをする。

 FiNCのビジネスはダイエットに必要な情報をAIでパーソナライズする技術を強みにしている。AIの高精度化に向け東京大学の研究者との共同研究も進める。デジタルで広がった顧客との接点を使い、付加価値の高いサービスを提案できている。

 デジタルを活用し健康管理・食事管理アプリで消費者との接点を拡大しようとする動きはグローバル企業でも加速している。

閲覧履歴

    クリッピングした記事

    会員登録後、気になる記事をクリッピングできます。