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購買動機に迫る「オケージョン」分析 ボストン・コンサルティング・グループ 森田章パートナー

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 消費者の動機、行動の変化を徹底的に分類・分析する…。もともとあった方法だが、データ活用が迅速になった現代は飛躍的に効果を高めている。そのカギを握るキーワードはオケージョン(Occasion)。直訳すれば「場面」や「状況」だ。特定できれば消費者の行動変容の謎の解明につながる。

■「感情的」「機能的」2つのニーズ

 前回お伝えしたカスタマージャーニー(顧客が購入に至るプロセス)。今回はそれに関連するお話から。カスタマージャーニーを把握する時、消費者がいつ、どこで、何をきっかけにして購買へと行動が変化したのかを突き止めることが欠かせない。行動変容のオケージョン分析だ。

 アルコール度数が高いスピリッツの市場開拓を例に取ろう。嗜好品の特徴でもあるが、非常に幅広いオケージョンが想定される。消費者の年齢層、どんな仲間と過ごすか…など細かな条件で変わってくる。

 1人でくつろぐ場面。これはどの性別・年齢層でもある。グラスにストレートかオンザロックで注ぎ、ゆっくり飲む。無理しないのでエネルギーを使う量は一番低い。

 場のエネルギーレベルを1段階引き上げると、30歳前後から上の世代の親しい者同士のくつろいだ集まりが該当する。そして、エネルギー量が最高なのは20歳代のパーティー。目立ちたがり屋がショットグラスで乾杯する場面が目に浮かぶ。30歳代後半から上の世代でも、レストランでのお祝いであれば、晴れの席だけに同じくらいエネルギーが高めだ。

 このように分類した場面をデマンド・スペース(Demand Space)と呼ぶ。スピリッツのマーケティングなら各スペース別にどの自社ブランドが最適かを分析する。

 分析の際に大切なのは、各スペースの消費者の2種類のニーズを特定すること。1つ目は感情的ニーズ、2つ目は機能的ニーズだ。これらは行動変容の引き金だからだ。

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