デジタル化で飛躍するASEAN

試されるグローバル企業のシンガポール戦略 ローランド・ベルガー プロジェクトマネージャー 石毛 陽子氏に聞く

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未来のあるべき姿をえがいたシンガポール産業マップ

 昨今、テクノロジーによる産業変化が著しい中、10年先も年2~3%の経済成長を続けるため、シンガポール政府は大々的な官民一体の産業転換プログラムを開始した。

 プログラムには、約3600億円もの予算が投入される(2016年以降の5年間)。同国GDP(国内総生産)の約8割を占める主要な23業種(表1)をピックアップし、テクノロジーの導入を推進することで、(1)生産性の向上 (2)イノベーションの創出 (3)国際化の推進 (4)雇用の創出、という4つの観点での産業転換を目指す試みである。

 もともと、シンガポールは国土が狭く、土地・人口に制約があり、少ない資本でいかにGDPを拡大するかという生産性の向上を常に意識してきたが、テクノロジーの導入により、それを加速させていく。また、自国を産業革新の実験場・ショーケースとして広くグローバルに開放することで、他力も使いながら自国の産業イノベーションを加速化していく。そして、東南アジアの中心に位置し、交通の便が良いという地政学上のメリットを生かして、それをグローバルに展開していく狙いがある。

 プログラムでは、23の業界ごとに明確な将来のロードマップ(Industry Transformation Maps、ITMs)の策定が課されており、2018年2月に全業種が出そろった。

 ロードマップを産学・官民連携で策定して各業界のステークホルダー間の連携を深めるとともに、広く道筋を世界に示すことで、国内外からの先端技術・事業モデルの導入を積極的に推進していく狙いがある。業種ごとに具体的な成長戦略が示されているが、AIの導入は各業種に共通している(表2)。

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