愛されシニアを目指すスキルアップ道場

厄介な裸の王様になっていませんか? トレノケート シニア人材教育コンサルタント 田中淳子

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 肉体的にも境遇的にも金銭的にも心理面でも様々な変化に見舞われているシニア。条件が異なるのだから若い人と同じことはできない。それが悪いわけではなく、その現実を受け止めてシニアなりのやり方を考えることが「愛されシニア」になるための次の1歩だ。

 シニアにはシニアならではの価値があり、その価値があるから社会に貢献できる。その価値をさらに高めるためには、とにかく、変わり続けなければならないのだ。

 私が尊敬するあるシニアの方が数年前、65歳で「会社員」を引退される際にこんなことをおっしゃっていた。

「今の時代、50歳を過ぎて省エネモードになっている場合じゃないんです。まだまだ一花どころか、二花も三花(みはな)も咲かせなくちゃ。私はそう思っていますよ」

 まだまだたくさんの花を咲かせられるよう、シニアがどう生きて行けばよいのか、さまざまな制約はある中でできるだけハッピーな気分で働き、ついでに言えば周囲からも愛されるシニアになるためには何をすればよいのか、次回から具体的に考えていくことにする。


シニアを部下に持つ管理職へのメッセージ

 年上部下を持つマネジャーに言われたことがある。

 「シニアって変わらないじゃないですか。変わってほしいと思っても、かたくなに変わらないから、最初から期待しないほうがいいんですよ」と..。

 確かに変わろうとしないシニアはいる。でも、最初からコミュニケーションもせずに、「どうせ変わらない」とレッテルを貼られると、自分なら「そんなに期待されていないのか」とがっかりしてしまう。

 ではどうするか。まずは、「シニアは変わらない」「シニアには大きな期待しない」というメガネをいったん脇に置く。その上で、シニアと向き合い、話を聞いてみる。しっかり聞いてくれる人がいれば、今の気持ち、考えていることなどを話すはずだ。

 「今は、どんなことに興味がありますか?」

 「今年やってみたいことはなんですか?」

 「気になっていることはありますか?」

 シニアが何かを話し始めたら、否定せずに最後まで聞いてほしい。

 「なるほど、〇〇に興味があるんですね」

 「なるほど、〇〇をやってみたいんですね」

 「なるほど、〇〇が××になればいいと思っているんですね」

 肯定的に聞くのに、まずは、「なるほど」と応じるとよい。

 自分の考えに合わない返事を聞くと、つい、「いや、そうじゃなくて」「でも、それは無理」などと否定的に応じそうになる。しかし、否定されると話を続けにくい。だから、「なるほど」とまずは言ってみる。賛同の意味ではなく、単に「あなたの話を聞いていますよ」という合図となる。

 ある40代のマネジャーが言っていた。

 「10歳以上年上の部下の話を聞いていたら、面白くて1時間過ぎてしまった。普段黙っている人だから、どうかな?と思っていたけれど、会社のことだけじゃなくて、業界全体のことなど色々考えていて、自分も勉強になった」と。

 聞いてみないとわからないことはたくさんあるのだ。
田中淳子(たなかじゅんこ)
1963年生まれ。トレノケート株式会社
シニア人材教育コンサルタント、産業カウンセラー、国家資格キャリアコンサルタント。1986年日本DECに入社、技術教育に従事。1996年より現職。新入社員からシニア層まで幅広く人材開発の支援に携わっている。著書『ITマネジャーのための現場で実践!部下を育てる47のテクニック』(日経BP社)、『はじめての後輩指導』(経団連出版)など多数。ブログは「田中淳子の“大人の学び”支援隊!」

キーワード:人事、管理職、プレーヤー、人事、人材、研修、働き方改革

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