日本的デジタル化の落とし穴

デジタル人材「育てる」より「育つ」環境を 第2回 アクセンチュアの本徳亜矢子氏がFringe81の田中弦社長に聞く

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田中 管理する、人を育てる、業績をあげる、みんな必要なんですね。1人がいくつものチームに参画する「マルチ・チーミング」は世界的に経営のトレンドになっているようです。人事部でなく、業務部門が新卒採用から中途採用、さらに教育まで担当するようになってきたのも同じ流れですね。

本徳 それを1人にやらせようとするのが問題。スーパーマンじゃないんですから(笑)。

司会 日本は管理職の階層が複雑です。デジタル人材が台頭する中で、管理の概念はどう変わるべきでしょう。

クラウドファンディング型の動機づけ

田中 マネジメントの仕事は、動機づけが8割だと思います。今の若い人たちは損得で話をすると納得感が高いようです。何のためにやるかの目的を示し、その目的と現状とのギャップを説明し、これをやると会社にも自分にも得だよねと納得してもらう。

本徳 昔は昇進するとか、給与が上がるとか、職場のエースになるといったことが動機づけになっていました。でも今の人たちにそれを言っても、単なる押し付けになりますね。

田中 冒頭の話で言うと、若い人たちに求められるのは「クラウドファンディング型動機づけ」でしょうか。こういう新しいことをやりたい、一緒にやってくれると超うれしい!みたいな。例えば最近、私個人がクラウドファンディングで支援した米国のベンチャー企業のトップから「ついに製品化されます。ありがとう!」とすごく熱いメッセージビデオが届いたんです。これはうれしくて、支援してよかったなと思うんですね。報酬はモノやカネじゃない。役に立ちたい、感謝されたい、それで自分が成長できたらもっとハッピーなわけです。そういうことを上司が理解して話をしないと、「なぜ、会社の奴隷じゃなきゃいけないの」となる(笑)。

司会 今の時代に必要な人事制度、あるいは合ってない制度って何でしょう。

田中 グーグルなどが採用しているOKR(Objective and Key Result=目的と主な成果)は、今の時代に合わせて動機づけと目標がブレークダウンされた制度ですね。若い世代にも比較的、受け入れやすいんじゃないでしょうか。一方、MBO(Management By Objectives=目標管理制度)はもはや合ってないでしょうね。上司と部下とで目標設定すると、90%が数値目標となってしまい、スキル開発などに生かされません。

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