キリスト教からよむ世界史

歴代米大統領が恐れたバチカンの力 元駿台予備学校講師 関 眞興

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 米国はプロテスタント信者の移民が中心となり建国しましたが、19世紀以降は多くのカトリック信者が欧州や中南米から渡ってきました。毎年3月17日の「聖パトリックの日」はもともとアイルランド系カトリック信者の祝日ですが、現在はニューヨークなど各地の主要都市で盛大なイベントが開かれ、宗派を問わず市民が参加するようになりました。しかし、20世紀後半の米ソ冷戦の時代になるまで、米国におけるプロテスタントとカトリックの関係は必ずしも良好でありませんでした。歴代の大統領がカトリックの総本山であるバチカンによる政治への干渉を恐れてきたからです。

■政治力を強めるカトリック、プロテスタントが警戒

 カトリック教会にとって、ユダヤ人とアメリカの関係は取り扱いが難しいものです。ユダヤ人はユダヤ教を信仰しています。アメリカはプロテスタントの力が強く、カトリック教会は20世紀になっても危険視されることも多かったのです。アメリカ国内でユダヤ人やカトリック教徒が増えたことにより、アメリカとカトリックとの関係はかえって微妙になりました。さらに、アラブ・イスラム勢力とキリスト教との関係は、深刻なものになります。

 アメリカは建国以来、プロテスタントが多数派を占める国家でした。しかし19世紀半ばにアイルランド人が、後半にはイタリア人が多く移住し、カトリック教徒が増えてきます。また、ヨーロッパでの差別を逃れてアメリカに移ってくるユダヤ人が増え、数の上ではプロテスタントが多いとはいえ、カトリック教徒が政治力を強めていきます。

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