キリスト教からよむ世界史

アメリカ政治を動かす信仰パワー 元駿台予備学校講師 関 眞興

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 トランプ米大統領がエルサレムの「首都認定」を打ち出し、中東和平に暗雲がかかっています。ユダヤ、キリスト、イスラム...3大一神教の聖地を、イスラエルが名実共に支配するお墨付きを与えたに等しいからです。世界各国の反発を顧みない独断へ突き動かしたのは支持基盤であるキリスト教福音派。世界を巻き込む政治・外交の舞台裏でうごめく信仰パワーの正体を、歴史から読み解きます。

■聖書の倫理・価値観、選挙でも争点に

 アメリカは憲法で「信教の自由」を明示している国家です。しかし、憲法に先立つ独立宣言では「人間は造物主によって創造された存在」と謳っており、大統領の就任式では、「聖書」に手を置いて宣誓します。大統領選挙では妊娠中絶や同性愛などが争点になりますが、これらはキリスト教に由来する問題です。アメリカは今から240年ほど前に独立した比較的新しい国家ですが、その宗教事情はいかなるものなのでしょう。

 宗教改革はヨーロッパ人の多くにとって大きな精神的試練になりました。諸国はカトリック系とプロテスタント系に大きく分かれました。プロテスタントはルター派とカルヴァン派からさらに細かく分かれていき、それぞれを信仰する市民たちの間での対立が激しくなりました。

 17世紀、大陸では神聖ローマ帝国(ドイツ)を舞台に、諸国が介入した三十年戦争が起こり、期を同じくして、イギリスでは清教徒(ピューリタン)革命(1642~1649年)が起きます。

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