テクノロジーリポート

中国勢の存在感が際立ったMoney20/20 アジア大会 アリババ、テンセントのフィンテック企業が技術力アピール

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 世界最大級のフィンテック(金融とテクノロジーの融合)イベント、Money20/20(マネー・トウェンティ・トウェンティ)は3月13~15日の3日間、シンガポールで初のアジア大会を開いた。統合型リゾート(IR)施設、マリーナ・ベイ・サンズを会場とする同イベントにはスタートアップ企業、大手金融機関、規制当局などの関係者が多数参加。中国、東南アジア、インドなどアジアで急成長するフィンテック企業の動向に注目が集まった。現地の模様をリポートする。

アリババ集団のアント・フィナンシャルがシンポ開催

 今回のイベントで存在感が際立ったのは中国勢。電子商取引大手アリババ集団傘下のアント・フィナンシャルは13日、国際事業グループ最高執行責任者(COO)兼最高技術責任者(CTO)の程立(チェン・リー)氏が、1000人以上着席できるメイン会場で単独講演を行った。

 同氏は「テクノロジーを活用することで、より多くの人々に平等なチャンスをもたらすことができる」と強調。そのためには、あらゆるモノがネットにつながる「IoT」で集めた膨大なデータをリアルタイムで処理するコンピューター技術や、金融サービスに求められる高い性能を備えた人工知能(AI)の開発などが必要と指摘した。

 アント・フィナンシャルは14日午後、メイン会場を丸3時間借り切り、シンポジウムを開催。程氏が連日登壇したほか、AI、デジタル認証、ブロックチェーン(分散型台帳技術)など各分野の専門家が相次いでステージに立ち、自社の技術力をアピールした。同社は展示コーナーにも大きなブースを設け、モニターで各技術を紹介。係員が報道関係者などに熱心に解説していた。イベント全体を通じ「テクノロジーのアント・フィナンシャル」を訴える姿勢が鮮明だ。

 同じ中国勢で、金融サービスでアリババと覇を競う交流サイト(SNS)大手の騰訊控股(テンセント)も13日、モバイル決済サービス、微信支付(ウィーチャットペイ)の総責任者・殷潔(グレース・イン)氏がメイン会場で単独公演を行い、モバイル決済の利点を強調。銀行を通じた旧来の決済は取引の終着点で、顧客との関係の終わりを意味するのに対し、モバイル決済は消費者と企業を結びつけ、新たな取引の出発点になると説明した。

 アント・フィナンシャルの程氏、ウィーチャットペイの殷氏とも講演は英語。やや中国語なまりはあるものの、原稿の棒読みではなく、自信に満ちたプレゼンテーションで、話に引き込まれる。その後、会場内で殷氏がメディアの取材にきれいな中国語で答える場面に出くわし、新鮮な感じがした。

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