FIN/SUM WEEK 2017 キーパーソンの思い

6人のキーパーソンが参加者のアイデアを刺激 FIN/SUM WEEK 2017 アイデア・キャンプ事前説明会

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AIで資産形成に関する的確な助言が可能に

みずほ銀行 個人コンサルティング推進部 営業開発第二開発チーム 参事役 野崎慎二郎氏

――今日はパソコンやスマホの画面上からコンピュータープログラムで自分に最適な投資信託を診断し、資産運用のアドバイスを受けることができるAI(人工知能)システム「ロボアドバイザー」についてご説明します。

みずほ銀行 個人コンサルティング推進部 営業開発第二開発チーム 参事役 野崎慎二郎氏

みずほ銀行 個人コンサルティング推進部 営業開発第二開発チーム 参事役 野崎慎二郎氏

 なぜロボアドバイザーが必要になるのでしょうか。それは個人や家計の資産状況の変化が背景にあります。「会社の定年後に現役時代の所得のどれくらいをもらえるか」の所得代替率は2014年に63%でしたが、少子高齢化の進展や社会保障給付費の上昇などから将来、大幅に低下すると予想されています。最近、「iDeco(個人型確定拠出年金)」や「つみたてNISA(長期型少額投資非課税制度)」などが話題になっているのも、老後のための資産形成において、従来の資産形成が貯蓄主体から投資にも目を向けなければならなくなったからです。

 こうした変化に対応し金融機関はどう変化するのでしょうか。おそらく投資開始年齢の若年化と投資期間の長期化に対応して、小口顧客へのサポート強化が必ず求められるようになります。投資運用商品を顧客リテンション(既存顧客維持)ツールの1つとして活用する必要があるほか、顧客の無関心化へのプロアクティブな対応も必要です。こうしたサービスは店舗の担当者だけではとても賄いきれません。そこでロボアドバイザーが必要になり、金融サービスの中で台頭していくだろうと言えます。

 現在の金融・証券業界が取り組んでいるロボアドバイザーには無料の「アドバイス型」と有料の「投資一任型」の2つのタイプがあります。アドバイス型は顧客が質問に答え、リスク許容度を測定し、資産配分の比率やその資産配分を実現する投資信託を提案します。アドバイス型はここまでで、実際の行動は顧客が自ら行います。投資一任型は提案後の投資信託購入、運用実績を基にして、投資信託の見直しまでロボアドバイザーが担います。みずほ銀行が手がけているロボアドバイザーサービス「SMART FOLIO」はアドバイス型です。専門金融サービス会社の多くは投資一任型ロボアドバイザーを提供しています。

 現在のロボアドバイザー利用はまだ始まったばかりで、イノベーター市場であると言えます。主要なロボアドバイザーの利用者数は各社・協会の公表データを参考にすると約3万人、取り扱う純資産総額は数百億円に過ぎません。投資信託利用者が全体で2000万人超、純資産総額90兆円以上であることを考えると、これから急速に伸びていく市場であることは間違いありません。

 「SMART FOLIO」を展開する中で、ロボアドバイザーの課題も見えてきました。資産形成のための投資の必要性に対する意識をどう培っていくか、ロボアドバイザーのユーザーインターフェースやユーザーエクスペリエンスの改良がもっと必要であるほか、人がサービスに関わる重要性も分かってきました。いくらAIで提案しても、人間の心理として「最後は人に相談したい」という気持ちが残ります。今後は、人が対応する部分を組み合わせたハイブリッドなロボアドバイザーが国内でも登場すると考えています。

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