FIN/SUM WEEK 2017 キーパーソンの思い

6人のキーパーソンが参加者のアイデアを刺激 FIN/SUM WEEK 2017 アイデア・キャンプ事前説明会

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大企業と中小企業の労働生産性にはなぜ大きな格差?

freee 専務執行役員 CPO(チーフ・パートナー・オフィサー) 武地健太氏

――freee(フリー、東京・品川)は2012年設立のスタートアップ企業です。「スモールビジネスに携わる全ての人が創造的活動にフォーカスできるように」をモットーにしています。より分かりやすく言うと、中小企業や個人事業主の会計処理、税務処理などのバックオフィス業務をクラウドを使ってIT化することを目的に、いろいろなサービスを開発、販売しています。

freee 専務執行役員 CPO(チーフ・パートナー・オフィサー) 武地健太氏

freee 専務執行役員 CPO(チーフ・パートナー・オフィサー) 武地健太氏

 企業には必ず設立目的があります。スタートアップ企業であるほど社会で経済活動をするための存在意義が重要です。私がfreeeの何に存在意義を感じるかをお話しします。

 大企業と中小企業の違いは何でしょうか。規模や資金力、ブランド力だけでなく、人材採用、営業力などでも中小企業は厳しい状況に置かれています。それだけでなく、日本の労働生産性はOECD34カ国中22位というデータがあります。国内でみると、大企業と小規模企業の労働生産性の差は、製造業で2.5倍、商業・サービス業で2.1倍というデータもあります。なぜ、スモールビジネスの労働生産性は低いのか。その原因の1つが、バックオフィスで煩雑な単純作業に追われることです。経理業務では紙処理が多く、それらを手入力でデータ化して転記する作業を強いられます。紙の世界から抜け出せない日本の会計処理方法の考え方に問題があるのですが、この負担を軽減できればスモールビジネスで働く人たちはもっと商品企画や販路拡大などに力をいれることができ、労働生産性が向上するはずと考え、「クラウド会計ソフトfreee」や「人事労務freee」などのクラウド型サービス商品を開発しています。

 私自身、祖父の代からの会計一家に育ちました。自分も資格を取得し、公認会計士として監査法人や外資系コンサルティング会社で勤務していましたが、「スモールビジネスのバックオフィスを改革する」という魅力にとりつかれてしまいました。これまであまり注目されてこなかった分野ですが、目的ははっきりしています。スタートアップ企業としての存在意義は極めて高いと言えるでしょう。

 freeeが実現したいコンセプトは、「簡単・自動化」「バックオフィス最適化」「クラウド完結型社会」の3つです。これをスモールビジネスに適用し、さらにfreeeのユーザー同士をつなげて実益あるプラットホームまで構築したい。そうすれば社会が大きく変化するかもしれません。

 フィンテックを使ったデータビジネスは、ぜひともやりたい分野です。でも、われわれがやらなければならないのは、その前段階の使命です。クラウド型で会計処理を実施している日本の中小企業はわずか15%ぐらいなので、スモールビジネスにおけるデータビジネスの可能性はまだまだ高い。そして将来は日本にとどまらず海外のスモールビジネスにも目を向けたい。スタートアップ企業だからこその存在意義と使命感を、みなさんに感じていただければとてもうれしく思います。

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