フィンテック キーパーソンに聞く

「世界で起きていることを知る」から始める NTTデータ オープンイノベーション事業創発室長 残間光太朗氏

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世界がつながって日本の地方を助ける時代に

 システム開発を手がける大手ベンダーながら、NTTデータは企業だけでなく、地方自治体や地方金融機関など地方にも多くの実績を持つのが特徴だ。今年7月にはベンダーを特定しない標準バンキングアプリケーションの「BeSTA」(ベスタ)を利用する地銀や、スタートアップ企業が自由に出入りできるオープンな活動拠点「BeSTA Fintech Lab」(ベスタ・フィンテック・ラボ)を東京・大手町にオープンした。特定領域の知見を持つ企業の「運営パートナー」8社と、先進技術やサービスを持つ企業の「コラボレーター」23社が参加し、地銀などと地方での新規サービス創出を促していく。その手法はやはりオープンイノベーションだ。

「地域の人が自分たちの問題は何かを突き詰める力が重要。それができれば、フィンテックを含むICTの進化とオープンイノベーションで解決策は見えてくるはず」

「地域の人が自分たちの問題は何かを突き詰める力が重要。それができれば、フィンテックを含むICTの進化とオープンイノベーションで解決策は見えてくるはず」

 「ベスタ・フィンテック・ラボの狙いはオープンイノベーションで新しいソリューションを参加する皆さんが知り、それをコンバージョンする(顧客の行動につなげる)ことです。フィンテックをはじめとする最新のICTにはこんな技術があるし、こんなこともできる。それらが収れんしていけば、競争力の非常に高い強力なビジネスモデルになり得ます」

 ところが、さらに重要なのはオープンイノベーションの先だという。

 「実は地域が抱えている課題は何かという分析力、視点が最も重要です。『課題感』とでも言うのでしょうか。少子高齢化、過疎化といった地方の多くに共通する課題のほかに、その地域ごとに複雑に事情が絡み合った課題がある。例えば、後継者不足が指摘される農業では、ロボティクスやAI(人工知能)でいくら自動化を進めたとしても全ての問題を解決できるわけではないでしょう。でも農業と全く異なる業種の企業が開発した技術を組み合わせると、すごいソリューションが生まれるかもしれない。そのためには自分らが直面する課題をきちんと捉える力が必要です。それは地域の人でなければできません」

 フィンテックをはじめとするICT技術の進化は、本当に地方の課題を解決できるのか。残間氏は「FIN/SUM WEEK 2017」では、世界各地の大学生が参加し、与えられたテーマのソリューションのアイデアを競う「アイデア・キャンプ」に期待を寄せる。このテーマの中には「地方創生」も含まれる。出身も経験も異なる大学生が、果たして地方を救うどんなソリューションを出してくるのか、審査員としてわくわくしながら待っているという。

 「これからはICTで世界中がつながる時代です。世界の人がつながれば、日本の地方の課題に思いを馳せ、助けてあげようという人も出てくる。FIN/SUM WEEK 2017では、そんな時代に私たちは居ることを多くの人に実感していただきたいと願っています」

(日本経済新聞社FIN/SUM事務局)

キーワード:経営層、管理職、経営、企画、経理、フィンテック、ICT、イノベーション

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