「ビジネス×社会貢献」が生む、新しい企業活動のカタチ

キリン氷結、森永ダース~事例から学ぶ企業の社会貢献

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 今までの方法で会社が存続していくのはちょっと酷な経営環境になった、という判断からCSRからCSVのほうに舵を切った。3つの事業会社のR&D部門を一つにまとめたほか、CSV本部を立ち上げた。企業ブランドをいかに育てていくかという点を大切にしているので、ブランド戦略部をCSV本部の中に設置した。

 元気な商品ブランドを出して、CSVの実践をすること。その両輪でキリンというブランドの価値が高まると考え、戦略の真ん中に掲げている。商品ブランドを出すことを含めている点が他社とは違うところなのかなと思っている。

 CSRとCSVの言葉を社内で別々に使っていたら終わりがない、という判断から、「CSRを進化させてCSVになった」という考え方にした。社長に「CSVの定義はどうしますか?」と尋ねたら、「そうだな...『社会をよくしてキリンも強くなる』という感じかな」と言ったので、それをいただくことにした。うちの会社は定義の議論などが大好きなので、これを経営会議にかけていたら、まだ決まっていなかったのではないかと思う。

2013年11月5日に期間限定で発売した「キリン 氷結 和梨」

2013年11月5日に期間限定で発売した「キリン 氷結 和梨」

事例(1) 「キリン 氷結 和梨」 昨年11月5日に、福島県産の和梨の果汁を使った「キリン 氷結 和梨」を発売した。風評被害を払拭し、被災地を応援しているキリンの姿勢を見てもらいたいと商品化した。22万ケース出荷したところ、通常の3倍早い1カ月で売り切れた。それだけ応援してくれたお客様が多かったということだろう。売り上げ1本当たり1円が東北の農業の震災復興支援に活用される「復興応援 キリン絆プロジェクト」とタイアップした取り組みだ。

事例(2) 「KIRIN Plus-i」 「KIRIN Plus-i」は、体の中の抗体を活性化させるプラズマ乳酸菌を入れた飲料。飲むだけで健康維持や社会課題の解決に寄与することを目指した商品だ。

事例(3) スリランカの農園支援 2013年からスリランカの農園を支援している。「レインフォレスト・アライアンス(持続可能な農法の認証制度)」の認証取得に向け、初年度は15の農園に対してトレーニング資金の面で支援した。

 日本に輸入される紅茶葉の約60%がスリランカ産で、このうち約25%が国内ナンバーワンブランド「午後の紅茶」に使われている。「午後の紅茶」の原料である茶葉の農園を長期的に支援することで、原材料の安心・安全を確保し、農園にとっても生産性が高まる――という形のCSVができている。

事例(4) グループの女性活躍推進 人権や労働の分野でバリューを作り出すのはなかなか難しいのではないかと思うが、キリンの場合は2007年に設立した「キリンウィメンズネットワーク」の活動を通じて、女性の活躍支援を実施している。 「2021年に女性リーダーの数を現在の3倍にする」という目標も定めた。

 おかげさまで、「世界のKitchenから」のように女性が中心となって開発した商品が大ヒットしたり、営業部門でも女性ならではのきめ細かい提案が受け入れられるなどの成果が生まれている。

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