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シニア社会に似合う「健康と死」を問う 松下博宣氏

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 そこで、諸機能の衰退プロセスを意識しつつ、ライフステージモデルにしたがって人生後半の「生き方モデル」を考えてみたい。定年後の人生を(1)元気活発期、(2)病気障害期、(3)終末期の3つに分け、それぞれの人生課題や健康課題を探ってみよう。

平均寿命と健康寿命をもとに、ライフステージを「元気活発期」「病気障害期」「終末期」の3つに分けて考える

平均寿命と健康寿命をもとに、ライフステージを「元気活発期」「病気障害期」「終末期」の3つに分けて考える

元気活発期:社会活動やスポーツで健康寿命アップ

 定年後、人が自立した生活を送ることができる期間(健康寿命)を「元気活発期」と呼ぶことにする。この時期の人生課題の1つは、「役割なき役割」の創造だ。定年を迎えて、会社の役割からは解放される。目の前にあるのは、膨大な自由時間。「さて、次のステップはどうするのか」と考えを巡らせれば、新しい目標を作って何かにチャレンジしたり、後に続く世代の知恵袋になったりと、いろいろな活動ができるだろう。

 その具体例は『自分と社会をゆるく小さく結ぶ「ソーシャル起業」のすすめ』で紹介した通りである。なんといっても、蓄積してきた経験値、知識そして金融資産を使わない手はない。定年延長や再雇用を待ち望むのだけなく、市場や行政によってうまく解決できてこなかった社会問題の解決に取り組むようなシニア起業、ボランティアなどに期待したい。

 実際、裾野が広い元気活発期のシニアからは、社会的なインパクトが大きいプロジェクトやNPOが出現しつつある。そうした社会貢献事業に投資して支援する「社会的インパクトファンド」の資金提供元としても、元気活発期に属する富裕層シニアは有望だ。

 社会的インパクト(社会的課題を解決する事業)を創造するシニア、インパクトを広めるシニア、インパクトをお金の循環で支えるシニア。このようなシニア・インパクト・システムが回る大前提が健康なのだ。以上のような視点を踏まえると、個人が生き生きと暮らしていくためにも、社会システムをイノベートしていくためにも、健康へのケアがカギとなる。

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