日経ソーシャルビジネスコンテスト関連特集

SDGs時代にこそソーシャルビジネスを 慶応大学大学院特任教授/横田アソシエイツ代表取締役 横田浩一

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 そもそも福澤諭吉はソーシャルビジネスのsocialを「人間(じんかん)交際」と表し、人とのつながりや絆、ネットワークを意味する言葉として訳した。この原点に立ち帰り「地球上のどこかで誰かかが困っていることには自らの生活やビジネスに何かつながりがある。困りごとには商機があり、新市場を切り開く」という意識を、経営者層はもちろん、社員一人一人持つことが不可欠だ。

 こうした意識改革は着実に広がっている。経営理念や経営計画の中にSDGsの目標を取り入れる企業も出てきた。例えばオムロン。立石文雄会長がマレーシア、インド、中国など世界の拠点を回り、各地の経営幹部とSDGsを意識した企業理念について対話している。

 一般社員にも企業理念を日常業務で実践してもらうことを目的に、社内表彰制度を取り入れた。社員が実践した優れた活動を表彰する制度を設けることで、社会課題の解決とはどういうことかについての理解を深めてもらう狙いだ。

 SDGsの目標と自社の事業がどう関連しているのか。ソーシャルビジネスを具体的に展開していくには、まず自社のビジネスとSDGsとのつながりを整理する必要がある。

 SDGsの目標にはそれぞれの目標に紐づく形で169のターゲットがある。例えば目標「住み続けられる街づくりを」にはターゲットのひとつとして「2030年までに女性・子ども、高齢者、障害者を含め、人々に安全で包摂的かつ利用が容易な緑地や公共スペースへの普遍的アクセスを提供する」との課題が掲載されている。こうした具体的なターゲットに自社がどう関与し、利益を上げながら持続的成長につなげられるのか、整理することが第一歩となる。

 こうした事例で先行している企業もある。

 住友化学は省資源化につながる樹脂使用量が少ない包装材や殺虫剤を練り込んだ蚊帳など、SDGsに貢献できる自社製品34種類を独自に認定した。今後も認定製品を増やし、2020年度に売上高を5600億円と、2015年度から倍増させるという。

 サラヤ(大阪市)もSDGssの17の目標にそれぞれに対して、自社の製品やサービスはどうかかわっているかを整理。ウガンダとカンボジアで手洗いを基本とする衛生の向上のための取り組みなどを進めている。2社ともSDGs達成に向けたロールモデルに成りうることなどを理由に、2017年12月政府の「第1回ジャパンSDGsアワード」で表彰を受けた。

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