デジタルトランスフォーメーションへの道

人材派遣会社がRPAによる自動化に力を入れるワケ キューアンドエーワークス 代表取締役社長 池邉竜一氏に聞く

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 ソフトウエア事務ロボットを使ってデータ入力などパソコンの定型作業を自動化する「RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)」に注目が集まっている。NECネッツエスアイグループのキューアンドエーワークスは人材派遣会社でありながら、RPAの導入支援サービス事業を積極的に拡大してきた。「デジタルレイバー」とも呼ばれるRPAに同社はなぜ力を入れるのか。書籍『デジタルレイバーが部下になる日』(日経BP社)を著した池邉竜一氏(代表取締役社長)に聞いた。

BPOサービスで対応しようとしたが苦労続く

――RPA導入支援サービスを2016年1月に開始しました。人材派遣会社でありながら早くからRPAに取り組んだのはなぜでしょう?

 RPAの導入支援サービスを始める前、当社は日本の少子高齢化に対して、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)サービスに取り組むことで対応しようとしていました。BPOサービスではネットワーク経由で業務を行いますので、海外の人材を活用するオフショア、地方の人材を活用するニアショアなどで人材を確保できます。つまり、東京には仕事が多くあるが、地方には仕事があまりない――そのギャップのせいで人材不足が深刻になっているという錯覚を起こしていると思っていたのです。

 ところが、苦労して募集・教育した人材も仕事が長続きしません。最初は興味を持って仕事をしてくれるのですが、慣れるに従ってやめていきます。理由を聞くと「やりがいを感じられない」という答えが目立ちました。正社員がコア業務をこなし、派遣社員がノンコア業務をこなすといった役割分担は、長くは続けられなくなってきたと感じました。

 そうしたところで、RPAの原型となる「ロボットソフトウエア」を2015年7月、RPAテクノロジーズの大角暢之氏(代表取締役社長)から知ります。RPAは衝撃でした。実は大角氏とは2006年ごろ、共同で仕事をしたことがありました。表計算ソフトなどのマクロという自動処理プログラムの開発を大角氏の会社の専門人材が担当し、そのマクロの運用を、当社の派遣人材が引き継ぐという共同提案をしていたのです。その共同提案はやがて終わり、大角氏とはいったん疎遠になるのですが、2015年の再会をきっかけに、当社も一気にRPAの導入支援サービスに取り組みました。

 当社は人材派遣会社ですので、RPAの導入支援サービスについても、業務を実行するソフトウエアロボットを「人」に見立てて「デジタルレイバー人」を派遣するという言い方をしています。

――御社のRPA導入支援サービスの実績は?

 「ロボロイド(RoboRoid)」という名称で提供するこのRPA導入支援サービスの売り上げは、まだ会社全体の約10%ですが、毎年2倍になっており、これからも同様なペースで増加すると見込んでいます。

 当社は、RPAの導入支援サービスによって、お客様の働き方改革を支援したいと考えています。ここでいう働き方改革は、労働時間の短縮だけを指すのではありません。RPAで業務を自動化する際に、「人間にしかできない仕事とは何か」をお客様といっしょに考え、「人がどのような業務を行うべきなのか」「人がどうすれば成長できる業務を行えるのか」までを提案します。このように、人間の業務とデジタルレイバーの業務をうまく協働させる業務設計を当社は「ワークスデザイン」と呼んでいます。

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