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日本株・ドル、3月中は押し目買いのチャンス 経済アナリスト 田嶋智太郎氏

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 加えて、3月2日における日次の「東証空売り比率」が48.8%と、2016年6月10日の47.1%を上回って過去最高を更新したという事実も見逃せない。これは先々の株価の値下がりを予想する投資家が過去最高に増えているということの証であるが、その大半は短期筋であり、買い戻しも素早いと見られる。

 よく言われるように、空売りが増えるということは、そのぶん将来の買い(戻し)も増えるということである。また、機関投資家などによる空売りは3月末までに決済される(買い戻される)ことが多いとされる。そんな空売りが過去最高レベルに達しているということは、頭の片隅に置いておきたい。

決算期末を前に有望株の掘り出し物を発見!

 なお、3月決算期末が迫ると個人投資家の関心は、魅力の株主優待品が受け取れる銘柄や比較的高めの配当利回りが得られる銘柄などにも向かうようになりがちとなる。ここにきて株価が全体に大きく下げたケースも少なくはなく、そのぶん割安感が強まった魅力の銘柄というのもないではないだろう。

 もちろん、株主優待にも様々あって、優待品が自社の製品やサービス、本社を置いている地域の産品などであれば好ましく感じるところもあるのだが、本業と縁もゆかりもないような優待品であった場合には、その意図や趣旨を一考したい。また、優待品に目がくらんで業績や将来性のチェックをなおざりにするなどというのは愚の骨頂である。

 一方、やたらと配当利回りが高い水準にある銘柄というのも大いに気をつけたい。言うまでもなく、そんなに高い利回りになるほど株価が安い水準に放置されているのは、良かれ悪しかれ何らかの特筆すべき理由というものがあるはずだ。

 例えば、JFEホールディングス(銘柄コード:5411)の配当利回りは3月5日時点で一時的に3.49%という高水準になった。その最大の要因は、件のトランプ米大統領による輸入規制方針の話題が嫌気されて一時的にも株価が大きく下げたためである。後に「トランプ氏が方針として掲げた関税措置は条件付きのもので、同社などは対象から除外される可能性が高い」との報もあって株価は反発。あくまで個々人の判断に任されるが、このような一時的アクシデントによって株価が急落=配当利回りが急上昇したようなケースは、1つのチャンスと捉えることができるかもしれない。

 とはいえ、総じて配当利回りが3%台後半からそれ以上になっているような銘柄は足下の業績推移や将来性などの点において多少なりとも「難アリ」と思われるものが少なくない。よく、ネット上などに『高配当利回りランキング(一覧)』などの表示を見かけるが、ランキング上位にある銘柄ほどその中身を丹念に調べ上げることが重要となる。

 もちろん、そんななかにも掘り出し物が見つかることはある。例えば配当利回り3%台前半(執筆時)に絞っていくつか例を挙げれば、それはNTN(銘柄コード:6472)やカシオ計算機(6952)、黒崎播磨(5352)、日本高純度化学(4973)、セイコーエプソン(6724)などということになろうか。これは、あくまで筆者の個人的な見立てによるものだが、いずれも足下の業績が好調で、それが今後も持続可能と思われる点が魅力である。

掘り出し物と筆者が考える銘柄の例

田嶋 智太郎(たじま ともたろう)
1964年生まれ。慶応義塾大学卒業後、現三菱UFJモルガン・スタンレー証券勤務を経て転身。転身後は数年間、名古屋文化短期大学にて「経営学概論」「生活情報論」の講座を受け持つ。金融・経済全般から企業経営、資産運用まで幅広く分析・研究。新聞、雑誌、ウェブに多数連載を持つほか、講演会、セミナー、研修等の講師や、テレビやラジオのコメンテーターとしても活躍中。主な著書に「財産見直しマニュアル」(ぱる出版)、「外貨でトクする本」(ダイヤモンド社)、「株に成功する技術と失敗する心理」(KKベストセラーズ)、「はじめてのFX『儲け』のコツ」(アルケミックス)、「日本経済沈没!今から資産を守る35の方法」(西東社)、「上昇する米国経済に乗って儲ける法」(自由国民社)など。

キーワード:経営層、管理職、経営、経理、グローバル化、国際情勢

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