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日本株・ドル、3月中は押し目買いのチャンス 経済アナリスト 田嶋智太郎氏

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 ハッキリ言って少々「下げ過ぎ」ではあると思うのだが、現実問題として「さすがに3月いっぱいは動きにくい」ということも事実ではある。最大の理由は、ここにきて米金利が上昇し始めていることと、それにもかかわらず対円でのドル安が続いていることから、本邦機関投資家が保有する米国債に価格下落とドル安によるダブルの損失が発生していることにある。それを3月期末までに処分(損切り)してしまうと同時に、その穴埋めのために株式の益出しを行うケースも少なくないと見られる。

 その実、最近は東京時間帯にドル(対円)が大きく値動きするケースが普段よりも目立つようになっており、いかに本邦機関投資家による手口(取引)が活発に出てきているかがうかがい知れる。結果として、なかなか円高の圧力が収まらない状況が続き、そうでなくとも株価が上値を追いにくくなっているところに、さらに3月期末決算を控えた国内事業会社による対策売りも散見される状況となっているわけであるから、さすがに3月いっぱいは強気相場の復活を望むことは容易ではないのかもしれない。

 ただし、言うまでもなく4月になれば情勢は大きく変化する。少なくとも、本邦機関投資家による米国債の処分売りや株式の益出し、事業会社による期末決算対策売りなどもピタリと止むことは間違いなかろう。その意味からすれば、大まかに言って「この3月中の押し目はチャンス」ということになるものと思われる。

上場企業の純利益が過去最高、一方で東証空売り比率も過去最高

 日経平均株価について「いましばらく上値は重いと思われるものの、少々下げ過ぎであることも事実」と考える根拠は数ある。以下に整理しておきたい。

 まずは、いま足下で日経平均株価採用銘柄の予想EPS(1株当たり純利益)の平均値が1680~1690円程度と、過去最高を更新する水準にまで引き上がってきており、結果として日経平均株価の予想PER(株価収益率)が12.5倍前後の水準まで低下してきている点に注目する必要があろう。

 前回更新分の本欄でも、予想PERが大きく低下して株価が割安になっているという点に触れたが、それにしても「13倍割れ」というのは少々異常と言えよう。ちなみに、予想PER=12.5倍前後というのは、あのブレグジット・ショック時(2016年6月)の水準よりも低く、2012年12月にアベノミクス相場がスタートして以来、最も低い水準であるということも再認識しておきたい。

 むろん、いずれ相場全体にリスクオンのムードが漂うようになれば、予想PERで16.5倍程度までは容認されるようになる可能性が十分にあり、そうなれば日経平均株価の現在のフェアバリューを2万7800円程度と見積もってもおかしくはないということになる。もちろん、2019年3月期も連続で大幅増益になると想定すれば、当面の上値の目安をさらに一段と引き上げることも可能となろう。

 また、足下で東証1部の「騰落レシオ(25日)」が一般に下げ過ぎと言われる80%以下の水準まで低下してきていることにも要注目である。思えば、2月14日に一時71%前後まで下げた場面では、さすがに日経平均株価の日足ロウソクにも下ヒゲが伸びる格好となって、翌15日からいったんは反発の動きが強まった。それが、また3月5日に80%割れの水準まで低下したことで、足下では目先的に売られ過ぎの感が強まっている。

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