石川善樹の「脳とうまく付き合う法」

人を突き動かす「不思議の力」のフシギ 現代芸術活動チーム「目」の南川憲二氏、荒神明香氏に聞く

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 予防医学者の石川善樹氏がさまざまな分野のエキスパートと対談しながら、脳とうまく付き合う方法を探る連載シリーズ。今回のお相手は、現代芸術活動チーム「目」のディレクターである南川憲二氏とアーティストの荒神明香氏です。果てしなく不確かな現実世界を、実感として確かめる行為としてのアートを追求し、「おじさんの顔が空に浮かぶ日」などユニークな作品を世に問うてきました。目に見えるモノ、当たり前と思っているコトがいかに不確かであるか。あなたの常識も揺さぶられること必至です。

果てしなく不確かな世界を確かめる

石川 お二人とは昨年末、大阪芸術大学で開かれたセミナーのスピーカーとしてご一緒し、人生観が変わるようなお話をうかがいました。私も現代アートに興味があり、ぜひ詳しくお聞きしたいと思い、対談をお願いした次第です。

南川 私たちも石川さんの講演を聞いて衝撃を受けました。今日は楽しみにしています。

石川 まず、チームの成り立ちから教えていただけますか。

南川 もともと私は一般の方々からアイデアを募り、参加者と一緒に表現する活動「wah document(わうどきゅめんと)」を立ち上げ、主に増井宏文というメンバーと活動してきました。その中で、個人のアーティストとして活動する荒神と出会い、目指す方向性にお互いに共感し、3人のチームとして活動することにしました。クリエイティビティーの源泉は荒神で、増井が制作を統括、私は取りまとめという分担です。

石川 チーム名の「目」にはどんな意味が込められているのでしょう。

南川 私たちは「確かまり」と呼んでいるのですが、世界は果てしなく不確かであるという前提と、それに対する確かめの行為が私たちにとっての作品だと思っています。短くまとめるとそれが目の機能に似ているところから、チーム名にしました。

石川 なるほど!さっそく、僕が感銘を受けた作品についてお聞きしたいと思いますが、まずは「おじさんの顔が空に浮かぶ日」。これはまさに、おじさんの顔の巨大な気球のような物体を空に浮かべるものです。写真を見ると、本当に町の空におじさんの顔が浮かんでいるのがわかります。そもそも、どういうきっかけで創ることになったのですか。