そろそろ「営業のやり方」を変えませんか?

「価値を共に創る媒介役」こそ営業の役割 株式会社イノベーション 執行役員 セールスクラウド事業部長 宮村 佳祐氏

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機械にはない「人間の意思」

 私は、変化に対応できる組織づくりには、3つのポイントがあると考えています。

■変化すべきタイミングに気がつけるようになる情報基盤

 これは、まさに前回までの連載で述べてきた内容です。社内で管理しているKPI(営業の受注率や商談数等)や営業成績の上下は変化すべきタイミングを教えてくれます。これらの数値は、定量的にいつでも把握できるようにしておかなければなりません。年単位など長期スパンでの比較ができるようになると、さらに変化すべきタイミングに気づきやすくなるでしょう。

■テクノロジーの進展を理解する仕組み

 競合や自社を含めて、業界に大きなインパクトを与える可能性のあるテクノロジーやマーケティング・営業に関するテクノロジーの進展に、常にアンテナを立てておく必要があります。テクノロジーは年々高度化しており、情報収集して理解することが難しくなっています。

 しかし、テクノロジーによって今までできなかった見込み顧客とのコミュニケーションが発生したり、自社の業界構造を変えてしまったりすることもあり得る時代です。購買行動もテクノロジーによって今後大きく変わっていくでしょう。外部の識者等もうまく活用し、テクノロジーの進展を理解するように務めましょう。

■顧客と深くつながり、価値を共創する媒介となる人

 変化の起点は当然顧客のところにあります。購買が変化しているということは顧客が変化しているということです。ただ、購買側が変化しているから提供側も変わっていこう、ということは既に散々述べてきました。ここで意味することは、顧客が変化しているから、という理由によってだけでなく、「顧客と新しい価値を共に創る」というポジティブな目標の元に、継続的な変化を起こしていけるよう努めよう、ということです。

 先にも述べたとおり、購買側と提供側の情報の橋渡しは、テクノロジーによって圧倒的に手軽になっていて、購買側は過去よりもスピーディーに精度の高い購買活動を行えるようになっています。つまり、購買側と提供側のベストマッチが起きる確率が以前と比べて高まっているのです。

 私がここで述べたいのは、購買側と提供側のベストマッチを超えたその先にある、「価値を共に創る関係」を目指すということです。提供側と購買側が、相互の製品・サービスに積極的に関与し、改善できる、もしくは新しい価値を創り出していけるような関係性です。そこには意思を持った人間が必要で、機械による代替は難しいでしょう。前段で、営業担当が行っている販売員的な役割はテクノロジーによって代替されつつあると述べましたが、今後このような仕事を担うのが「営業」という役割になる、と私は考えています。

 テクノロジーの進展によって顧客との関係性のあり方が大きく変わりつつあります。これまでの営業活動は、テクノロジーによって徐々に代替されています。その分、顧客と深くつながり、共に価値を想像していく関係性を創ることに時間や人を投じることができるはずです。営業やマーケティングのあるべき姿を今一度見つめ直すタイミングにいるのではないでしょうか。

宮村 佳祐(みやむら けいすけ)
株式会社イノベーション 執行役員 セールスクラウド事業部長。
1983年青森県生まれ。2006年、横浜国立大学教育人間科学部卒業後、イノベーション入社。大手IT企業向けのリスティング広告・テレマーケティングの営業を経験した後、BtoB向け比較サイト(ITトレンド・BIZトレンド)の責任者を経験し、2010年よりマーケティングオートメーションツール"List Finder"の立ち上げを担当。現在は"List Finder"を含む、セールスクラウド事業部の責任者を担う。

キーワード:経営層、管理職、経営、営業、マーケティング、イノベーション、プレーヤー、ICT

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