天下人たちのマネジメント術

上海で成功する5条件、失敗の3条件 袁静氏が読み解く「中国セレブ消費」(4)

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スキマ市場でライフスタイルを売る無印良品

 「第4の条件はスキマ市場を開拓することです。ユニクロや無印良品の成功がこのケースです。シャネルやエルメスなど欧米の著名なブランドはみな上海に本部を置いています。中国製は安価なものの、デザインがいまひとつでオシャレな若者は満足しない。欧米ブランドは価格が高い。この中間くらいの値段で品質が良くて長持ちし、恥ずかしくないデザインの服装が欠けていました。この真空地帯を埋めたのがユニクロと無印良品でした」

 「ユニクロは地方から出てきて、企業に勤めている若者には圧倒的な支持を受けています。日本と同じ価格に設定されているので、中国人には少し高いと感じる程度です。難を言うなら日本より新製品の発売が遅れることです。訪日中国人がユニクロを買って帰国するのは最新商品をゲットしたいからなのです」

 「無印良品を中国では『性冷淡』と評しています。シンプルで無駄な装飾が無い、本質だけを残したイメージです。普段着の方が格好いいという価値観は、中国には無かったものでした。スキマをついたわけです。無印良品は単なるファッションではなくライフスタイルを提案していて、それを若者が支持しているのです。ただ親の世代は嫌がりますが」

 --メディア戦略はどうでしょうか。

  「マツモトキヨシホールディングスのスマホ戦略は参考になると思います。中国語のモバイルサイトを立ち上げ、普及している対話アプリ『微信(ウィーチャット)』のアカウントを作って情報発信しています」

 「マツキヨは1日5回くらい更新しています。宿の予約をするとすぐショートメールが返ってきてマツキヨのクーポン券がついていたりします。『何%オフ』といった情報も多い。越境EC(電子商取引サイト)の天猫国際でマツキヨの商品を買うプチ富裕層は少なくありません。マツキヨはあくまで小売店であって、そこでしか買えない商品は基本的に存在しません。でも日本のほかのドラッグストアを知っている中国人はほとんどいないでしょう。マツキヨ現象は誰にでも起こりえると思います」

 

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