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上海で成功する5条件、失敗の3条件 袁静氏が読み解く「中国セレブ消費」(4)

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ドロドロの日式カレーは「全く新しい料理」

--続いて注意すべきポイントはどこでしょうか。

 「第2のポイントは消費者に“初めて”の経験を与えることでしょう。これも味千が成功した理由の1つになります。中国にも豚骨から取ったスープはありますが清湯という透明なスープです。味千のこってり濃厚な白濁スープは強烈な体験でした」

 「ハウス食品のカレールウが受け入れられたのも他にない味だったからです。カレーは世界中どこでも食べられます。とくに上海は英国人が多かったこともあって、昔からカレーは日常的な料理でした。しかしドロドロになるまで煮込む日式カレーは日本だけのものでした」

 「ハウスのカレールウは中国進出後の十数年で販売額を約20倍に拡大したといいます。一般論として、中国人はあまりドロドロの料理は好みません。来日した中国人が日本の中華料理での一番の不満はあんかけが多すぎるというものです。ひとつの皿にご飯とおかずを一緒に載せる習慣もありません。しかし『まったく新しい料理』であるから日式カレーは認められたのです。もちろん年間2万食もの試食会を続けている企業努力は見逃せませんが」

 --上海は中国屈指のファッションの都市でもあります。

 「上海人は外見を褒められるのが一番嬉しい人々です。会ったら『それセンスいいですね。どこで買いましたか』と聞いて上げて下さい(笑)。上海で成功したのがファーストリテイリングです。『ユニクロ』は日本では低価格衣料品の代名詞的存在ですが、上海のオシャレな地区で知られる准海路にグローバル旗艦店を出店し、飛躍的に知名度を高めました」

 「上海で成功する第3の条件は立地をおろそかにしないことです。100円ショップであっても繁華街の路面店に出店しイメージを高めるべきですね。最初は無理気味でも消費者の人口は多い。店舗を増やし利益を上げていけば、上場が見えてくるというのが上海流のビジネスです」

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